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旧日本軍慰安婦を題材にした映画「帰郷」、公開初日にボックスオフィス1位

旧日本軍慰安婦を題材にした映画「帰郷」、公開初日にボックスオフィス1位

Posted February. 26, 2016 07:31,   

Updated February. 26, 2016 07:58

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旧日本軍慰安婦を扱った韓国映画「帰郷」が公開初日にボックスオフィス1位になった。

韓国映画の平均製作費(60億ウォン)の半分以下の25億ウォンで製作された映画が、ハリウッド映画「テッド2」やトップスターのカン・ドンウォン、ファン・ジョンミン出演の「検事外伝」を抜いて興行1位になったのは異例のことだ。

映画館入場券統合電算網によると、「帰郷」は24日に15万4728人を動員して1位になった。「帰郷」の製作会社は25日、「前売り率が27%と1位で、座席占有率も42.5%と高く、今後の興行の見通しも明るい」と話した。映画は1991年、故キム・ハクスンさんの初の旧日本軍慰安婦証言が出た直後を背景に慰安婦被害者のヨンオク(ソン・スク)の回想と癒しを盛り込んだ。

観客反響は熱かった。映画を見たソン・テフンさん(44・京畿道坡州市)は「気が重くなる歴史だが、その歴史を記憶しなければならないという思いで映画館に行った。映画的にも完成度が高く、おもしろかった」と話した。「早朝に見た。必ず見なければならない映画だと思う」といったネットユーザーの反応も続いている。

専門家たちは「帰郷」が「音叉」(2015年)、「最後の慰安婦」(2014年)といった以前の慰安婦問題を扱った映画に比べて、劇的面白味と完成度を備えているので観客を動員していると分析する。

「帰郷」は、小規模映画としては異例にも512ものスクリーンで上映された。これも観客が引き出した結果だ。ある映画館関係者は、「公開前から前売り率が上位圏にのぼり、関連コメントがあふれるなど観客の反響が熱かったことから、多くのスクリーンを編成した」と説明した。

 

映画を演出したチョ・ジョンネ監督は、2002年の「ナムヌの家」奉仕活動の時、カン・インチュルさんの絵「乗せられる女性たち」を見た後、映画を構想した。2014年10月に撮影を始めたが製作費が足りず撮影が中断した。同年12月、1回目の下見映像が公開された後、募金が殺到し、現在まで市民7万5270人が参加して製作費の半分の約12億ウォンが集まった。ソン・スクさんら俳優の多くが出演料なしで参加し、特に在日同胞の俳優は韓国と日本を行き来する飛行機のチケットまで自己負担で参加した。

チョ監督は、「俳優とスタッフすべての犠牲が作り出した奇跡だ」とし「慰安婦被害者の証言すら証拠として受け入れられない現実で、この映画が文化的証拠になることを願う」と話した。



이새샘기자 イ・ハンセム記者 iamsam@donga.com