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[オピニオン]ハリー・ポッターのストーリーの魔法

[オピニオン]ハリー・ポッターのストーリーの魔法

Posted February. 13, 2016 07:34,   

Updated February. 13, 2016 08:06

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ハリー・ポッターの作家、ジョアン・ローリングが、シリーズの7冊目「ハリー・ポッターと死の秘宝」の発売から9年ぶりに、その後続編「ハリーポッターと呪われた子供」のI・IIを発売する。ハリー・ポッターは4億5000万冊が売られ、聖書を除いては最も多く売られた。新作品発売のたびに、長蛇の列を作っていた前例から見て、今回も世界のいたるところのファンらは熱狂するだろう。

◆「死の秘宝」の最後は、ハリーポッター夫婦がホグワット行きの汽車に乗る自分の子供たちを見送る場面だ。このような開かれた構成から見て、いつかは作家がその後続編を書くだろうと思われきた。しかしローリングは、ファンタジー作家のイメージを消すため、匿名で成人小説を書いた。結局、ファンらの要請のため、ハリー・ポッターが戻ってきたことになる。新作は19年が過ぎた後、ハリー・ポッターがソウルメイトだったハーマイオニーではなく、ウィーズリーの妹と結婚した後の物語だ。二人の間から3人の娘と息子が生まれる。

◆厳密に言えれば、「呪われた子供」は小説ではなく、7月30日に、ロンドンのウェストエンドで開幕する演劇の脚本だ。ハリーの役には英俳優ジェイミー・パーカーが、ハーマイオニー役には、黒人女優のノーマ・ドゥメズウェニが内定され、早くから話題となっている。公開すらしていない演劇はすでに、1年分のチケットが売り切れとなり、やみ切符は1枚当たり385万ウォンで取引されている。演劇ジャンルの特性柄、大勢の人たちが見られないので、演劇の脚本集が発売されることになったのだ。ロンドンに演劇を見に行くことのできない地球村のファンたちのためのサービスともいえる。

◆「呪われた子供」は、ローリングが一人で書いたものではない。英劇作家のジャクソンや演劇制作者のジョン・ティファニーが共同で執筆した。ティファニーはミュージカル「ワンス」で、2012年にトニー賞の演出賞を受賞した。彼が演出を手掛けた演劇「LET THE RIGHT ONE IN」が韓国で上映中だ。貧しいバツイチのローリングは、最初の作品だったハリー・ポッターシリーズ一つでお金持ちになった。彼女が印税や映画、ビデオゲーム、キャラクター販売、テーマパークで稼ぐ収益だけでも、1兆ウォンを超えている。今やその領域が演劇や演劇脚本にまで拡大されるのを目にし、よくできたストーリー一つがどれほど大きな魔法をかけることができるのかを示している。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com