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[オピニオン]民主的社会主義と米大統領選挙

[オピニオン]民主的社会主義と米大統領選挙

Posted February. 12, 2016 07:27,   

Updated February. 12, 2016 07:34

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作家のジョン・リードは1917年、ロシア特派員として革命を目撃し、『世界をゆるがした十日間』を書いた米国の社会主義者だ。同年、米国でも労働者の5分の1がストに参加した。第1次世界大戦の終戦までは、米国にも強い社会主義の流れがあった。1905年、世界産業労働組合(IWW)を創立した社会主義労働活動家ユージン・デブスがその先駆者だ。『民衆のアメリカ史』を書いた歴史学者ハワード・ジンやバーモント州上院議員バーニー・サンダースなど今日の米国の社会主義者にとって、デブスの故郷インディアナ州テレホートを訪れることは一種の巡礼だ。

◆サンダースは、欧州の社会民主主義(social democracy)と似た「民主的社会主義(democratic socialism)」という言葉で自分の政治理念を表現する。彼は、2010年、共和・民主両党が合意した富裕層の減税法案に抗議し、上院で69才の年齢で8時間35分にわたる議事進行妨害演説をしたことで有名だ。2008年の金融危機後、ウォール街占拠運動で表出した民心を民主党大統領候補を選ぶ予備選挙に出馬する動力とした。

◆サンダースは、予備選挙第2戦目のニューハンプシャー州予備選挙で、ヒラリー・クリントン前国務長官に圧勝した。予備選挙第1戦目のアイオワ州党員集会でも僅差で負けたものの薄氷の勝負を展開した。サンダースが本当に大勢なのか判断するのはまだ早い。来月1日に13州の予備選挙が同時に行われるスーパー・チューズデーを見守らなければならない。米国は初の女性大統領の前に初の社会主義大統領を目にする日が来るかもしれない。

◆共和党では過激な発言を恥じることのない資本家のドナルド・トランプが、ニューハンプシャー州で圧勝した。サンダースは、民主党から出たものの、以前は社会主義者を自任して無所属で活動した。社会学者のダニエル・ベルは、新大陸の政治が旧大陸のイデオロギー的保革構図に汚染されないことを祝福と感じた。ブルームバーグ元ニューヨーク市長は、米政治の自尊心を守るためにも2人のアウトサイダーのうち1人が大統領になることは座視できないとし、リングの外で体をほぐしている。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com



송평인기자 ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com