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[社説]ヌリ過程を巡る大統領府と朴元淳市長との見苦しい攻防

[社説]ヌリ過程を巡る大統領府と朴元淳市長との見苦しい攻防

Posted February. 06, 2016 07:20,   

Updated February. 06, 2016 07:27

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朴元淳(バク・ウォンスン)ソウル市長は昨日、あるラジオ放送とのインタビューで、大統領府の玄伎煥(ヒョン・ギファン)政務首席秘書官が2日、閣議が終わった後、自分に対して声を荒げたとして「(玄首席は)ソウル市民に謝罪すべきだ」と話した。玄首席は閣議の中で、朴市長が朴槿恵(パク・クンへ)大統領とヌリ過程(3~5歳の幼児に提供する教育・保育過程)予算を巡って攻防を繰り広げたことに触れ、「閣議を国会常任委員会のように臨んでどうするつもりか」と声を荒げながら抗議したという。大統領府は、「大統領も出席していたので、声を荒げるような空気ではなかった」と反ばくしたが、舌戦を交えたのは間違いないようだ。

当時の閣議の状況について、大統領府とソウル市の主張をまとめてみれば、朴市長が地方教育財政交付金をヌリ予算に充てるには足りないと主張すると、朴大統領は、「昨年の市道知事・教育監協議会で、地方教育財政交付金にヌリ予算を含めることに賛成したではないか」と反ばくした。それに対して、朴市長は、「教育財政環境を巡って異論があるので、大統領が関連当事者全体会議を招集して、根本的な代案をまとめるのが必要だ」と提案した。

閣僚ではない朴市長には議決権はないが、発言権はある。中央政府と市道教育庁のヌリ予算を巡る対立に、朴市長は直接当事者ではないが、緊急予算編成などの影響を受ける自治体長であるだけに、意見を出すことはできる。朴大統領と胸襟を開いて討論を繰り広げ、明確な違いを見つけ出すことができたなら、問題解決に役立つかもしれない。にもかかわらず、大統領府の秘書が会議場の外から声を荒げ、柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相や李俊植(イ・ジュンシク)社会副首相がブリーフィングまでして批判したのは、忠誠争いのように映って心苦しい。閣議は、長官たちが大統領のお言葉ばかり書く取りする場所ではないじゃないか。

しかし、朴市長もオブザーバーとして出席する閣議で、頻繁に口をはさんで攻防を繰り広げるのは、礼儀ではない。朴市長は昨年12月、黄教安(ファン・ギョアン)首相が主宰した閣議で、就活者に対して月50万ウォンずつを支給するソウル市の「青年手当」政策を巡って、長官らと舌戦を繰り広げた。今回も朴大統領の年度や会議名を錯覚する些細なミスに揚げ足をとったり、「私は合意に賛成したことなどない」と揚げ足をとった。玄主席に対して、ソウル市民に謝罪すべきだと要求したのも度が過ぎる。

ヌリ予算に関しては、中央政府と教育庁のどちらかの肩を持つのは容易ではない。中央政府がヌリ予算を考慮して、地方教育財政交付金を1兆3000億ウォン増やしたのは間違いないが、全体ヌリ予算4兆ウォンには及ばない。朴大統領が2012年の大統領選挙の公約として、ヌリ過程を李明博(イ・ミョンバク)政権下で5歳だったのを3~5歳に拡大したがために、市道教育庁の負担が膨らんだ。しかし、市道教育庁も児童生徒数の減少などによって生じる余裕分を、ヌリ予算に積極的に回さなければならない。中央政府と市道教育庁が、政略から離れて正しい代案を探すためには、相手の言葉にもっと耳を傾けなければならない。



송평인기자 ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com