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[オピニオン]盗撮とポルノ

Posted January. 26, 2016 07:56,   

Updated January. 26, 2016 08:24

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英語に「アップスカート・フォト」(upskirt photo)という言葉がある。スカートの下から撮る写真をいうが、スマートフォンで密かに女性の身体を撮った写真を一般化してこう言う。このような写真を違法とするかどうか確立された基準はまだない。米国のテキサス州とオレゴン州、ワシントンでは、たとえ男性が性的満足のためにそのような写真を撮ったとしても、違法とはされない。マサチューセッツ州だけ昨年から違法行為として扱っている。

◆韓国は米国よりも厳しく、被害者に性的羞恥心を与え得るすべての撮影行為を処罰する。アップスカート・フォトは言うまでもなく、夏のビーチで水着姿の女性を撮って処罰される国が韓国だ。ただ、被害者が主観的に性的羞恥心を感じたからといって無条件に処罰するわけではない。特定身体部位の露出度や撮影の角度、距離などを総合的に考慮して、第三者の観点で判断する。

◆最近、大法院は、好感を持つ女性をエレベーターまで追いかけて密かに上半身を撮った男に罰金100万ウォンを言い渡した一審を破棄し、裁判のやり直しを言い渡した。被害女性は羞恥心と恐怖を感じたと言ったが、大法院は撮影した胸の部位が露出どころか輪郭すらはっきりせず、客観的に性的羞恥心を誘発するほどでないと判断した。最初からこの程度の写真を盗撮の範疇に入れることに無理があった。ただ、面識のない男性がエレベーターまで追いかけてきたことに女性が恐怖を感じたとすれば、軽犯罪で処罰する方法を探るべきだろう。

◆男性がセクシーな女性に目を奪われることは、妻やガールフレンドに責められることはあっても法的には問題ない。ならば公共の場所で通常のアングルで撮った写真は、目で見ることと何が違うのか。そのような写真の一部が違法なら、なぜ違法で、どこからが違法なのか。「ポルノは定義できないが見れば分かる」という言葉のように、盗撮も見れば分かるのか。スマートフォンが法の領域に投じた新たな難題だ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員pisong@donga.com



송평인기자 ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com