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トッテナムを敗退危機から救ったVAR

Posted April. 19, 2019 10:21,   

Updated April. 19, 2019 10:21

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マンチェスター・シティ(イングランド)の本拠地シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムは熱狂のるつぼと化した。後半ロスタイム2分20秒に入ったスターリングのゴール。あともう少しだけ粘ればマンCは4強入りを決めるところだった。トッテナム・ホットスパーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は絶望感に襲われた。選手たちもうなだれた。その時だった。ヘッドセットで何かを聞いていた主審がVAR(ビデオ判定)を宣言した。冷や水を差したかのように一瞬にして静まり返ったスタジアム。しばらくしてから、電光掲示板に「NO GOAL、OFF SIDE」の文字が躍った。孫興民(ソン・フンミン)のトッテナムには悪夢が奇跡に変わる瞬間だった。試合は3-4で敗れたが、2戦合計4-4とし、アウェーゴール差で1961~1962シーズン(当時はヨーロピアンカップ)以来57年ぶりに欧州CL4強入りを果たした。

スターリングのシュートはトッテナムのクリスティアン・エリクセンの足から始まった。相手のプレス守備に塞がれて出したバックパスがマンCのバルナルド・シウバの右足に当たってセルヒオ・アグエロの前に落ちた。トッテナムのゴール右側に切り込んだアグエロは、スターリングにボールを渡し、これがゴールにつながった。しかしシウバの足に当たってのが、得点取り消しの理由になった。

国際サッカー連盟(FIFA)国際審判員出身のユ・ビョンソプ大韓サッカー協会審判専任講師は、「エリクセンのパスが、そのままアグエロに渡っていたらオフサイドではない。しかし、シウバの体に当たってとき、アグエロはトッテナムの最終DFより前にいた。明らかなオフサイドの位置だった」と話した。パスミスを犯したエリクセンは、試合後に「今は世界で一番ラッキーな男」だと喜んだ。

一方、試合中継放送でオフサイドでないと話したチャン・ジヒョン解説委員は、ネットのサッカーコミュニティに「頭の中が混乱して失言をした。混乱を与えたことをお詫びする」と謝罪文を投稿した。

韓国サッカーファンなら、この場面で、昨年のロシア・ワールドカップのドイツ戦を思い出したことだろう。韓国は0-0で迎えた後半ロスタイムに金英権(キム・ヨングォン)が混戦状態でこぼれたボールを左足で蹴り込んだ。副審はオフサイドを宣言したが、VARを通じて先制ゴールが認められた。当時孫興民がCKを蹴ったボールが、張賢秀(チャン・ヒョンス)の足に当たった後、トニ・クロス(ドイツ)を経て金英権の前にこぼれた。相手選手の足に当たったため、金英権の位置と関係なくオフサイドではなかったのだ。


李承鍵 why@donga.com