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規制改革は、法令改正より公職者の考え方を変えることが重要だ

規制改革は、法令改正より公職者の考え方を変えることが重要だ

Posted April. 19, 2019 10:22,   

Updated April. 19, 2019 10:22

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今月初め、シンガポール中心部で大型電気バスの自律走行試験運行があった。乗用車、小型バスの自律運行は多くの国で行われたが、大型バスは初めてだった。このプロジェクトは、ボルボバスとシンガポール南洋技術大学、シンガポール陸上交通庁の3者合同作品だ。このプロジェクトを最初にボルボバスに提案したのはシンガポール開発庁だった。「公務員ではなく、ビジネスマンのようだった」というのが、一緒にプロジェクトを行ったボルボバス副社長の評価だ。新しい仕事ができれば責任を負うことを心配し、できるなら関わろうとしない韓国公務員の日和見主義とは対照的だ。

未来産業において技術水準に劣らぬほど重要なのが、規制改革レベルだ。これは、グローバル経営コンサルティング会社KPMGが発表した「2019年自律走行準備性評価」でも如実に表れている。全体順位が、シンガポールが2位、韓国は13位と評価された。シンガポールは、技術(15位)は韓国(7位)より低いが、規制改革レベルはトップで、韓国(7位)を上回った。つまり韓国は、シンガポールに比べて技術、すなわち民間レベルはリードしているが、規制改革、すなわち政府レベルは劣るという意味だ。

自律走行、共有経済、遠隔診療などのデジタル革命関連産業は、従来では見られなかった新しい職業形態を作っていく過程だ。必然的に、既存の職業群と衝突せざるを得ない。これをどう調整して問題を解決していくかが、その国の政治指導者の能力であり、公務員の水準だ。

昨日李洛淵(イ・ナギョン)首相は懸案点検会議で、「規制改革は、法令改正も重要だが、公職者の考え方を変えることが重要だ」と強調した。規制に関する限りネガティブシステムに発想転換をすべきだと促したのだ。言葉は百も正しい言葉だが、そう促しても公務員はびくともしないことを、道知事を務めた首相が知らないはずがない。

規制を握って横暴を振るう公務員を厳しく問責するか、優れた規制改革事例を残した公務員を選んで、昇進など破格的ご褒美を提供するなどのインセンティブが伴ってこそ、少しでも動く。韓国の規制革新は、その対象を遠くから探すのではなく、大統領と首相が公務員の慢性的マインドを刷新することから始めるのが正しい順序ではないかと思う。