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生命力を持った小さな凝集体、色彩で具現する

生命力を持った小さな凝集体、色彩で具現する

Posted April. 10, 2019 07:39,   

Updated April. 10, 2019 07:39

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絵画作家ホン・ジョンヒ(74)の招待展が、ソウル江南区(カンナムグ)にあるイギルイグ・ギャラリーで20日まで開かれる。

ソウル大学絵画科を卒業したホン作家は、1967年、美術展覧会に入選後、本格的に活動を開始した。1979年から1年間は、フルブライト交換教授として米ミシガン大学美術学部で研究を行った。作品では、幼年期に接した韓服と丹靑を思い浮かべながら色彩を研究したり、材料におがくず、コーヒー粉、魚の骨を粉にして入れるなどの試みを行った。

今回の展示は、2014年にソウル大学美術館で開催された回顧展以来、5年ぶりに開催される個展だ。その間作業した「ナノ(Nano)」シリーズの新作品が公開される。彼は1970年代半ばに、「自我―韓国人」の連作、1980年代は「脱亜」、1990年代は「情熱」の連作を披露した。2005年から始まった「ナノ」シリーズは、生命力を持つ小さな凝集体を表現しようとした。

ホン作家は、自分の作品世界が韓国社会が経験した激変の時代と関係があると述べた。

「私は1945年に生まれ、南北分断と韓国戦争、これによる破壊と貧困、悲劇的な人生の暗い破片が散らばった幼少時代を送り、4・19と5・16そして維新時代、1980年代の激変の時期を過ぎて今に至りました。小さいながらも強く、すべてのことを乗り越えた国の作家として作品を手がけてきました」

彼は、作品に具体的な対象を描いたり、特定の風景を再現したりはしていないと説明した。それよりは、色彩そのものを優先する作品だ。これは1960年代に米国でスタートしたミニマリズム芸術の美学と関連性があるように見える。

「色彩が持つ物質性に魅了されました。色彩自体がほかならぬ作品の構成であり、その構成は意図されたものというよりは、偶発的であり、制作過程で展開されたものです」

さらに氏は、「ナノ」シリーズを手がけることになったのは、小さくて早いものから革命が起きたためだと説明した。

「情報技術、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、この小さくて早い3つが、人体に利することにより、社会的に様々な変化が起きました」

ぺク・ウンア・イギルイグ・ギャラリー代表は、「ホン画伯は1983年、ブラジル・サンパウロ・ビエンナーレなど、海外でも数回作品を披露し、第7回ソクチュ美術賞をはじめ、韓国(ハングク)日報主催の美術大典特別賞、第20回大韓民国美術展覧会長官賞などの受賞歴を誇る」とし、「近作の『ナノ』シリーズは、将来に対する問題意識の秩序に関する作品で、従来の色面抽象よりさらに簡潔で最小化された形が作品の特徴だ」と説明した。お問い合わせは02-6203-2015まで。


金民 kimmin@donga.com