Go to contents

江原原山火事の被害を増大させた「襄杆之風」

江原原山火事の被害を増大させた「襄杆之風」

Posted April. 06, 2019 09:00,   

Updated April. 06, 2019 09:00

한국어

江原道嶺東(カンウォンド・ヨンドン)地域で発生した大規模な山火事は、大気が乾燥したうえ襄杆之風まで加わり、被害が膨らんだ。襄杆之風とは、襄陽(ヤンヤン)と杆城(カンソン、高城)の間に吹く局地敵強風を指す言葉だ。2000年5月、江原高城など5つの地域で発生した大規模な森林火災と、2004年4月に洛山寺(ナクサンサ)を全焼させた江原襄陽の山火事などが襄杆之風によって被害が大きくなった代表的事例だ。

襄杆之風を起こす要因は、大きく三つだ。まず、気圧配置の形態だ。春になると、韓国の南には高気圧が、北には低気圧が居座る。いわゆる「南高北低」の気圧帯が形成されるのだ。高気圧地域は風が時計回りに吹き、低気圧地域は風が反時計回りに吹く。これらの風が歯車のようにかみ合って、強い西風を引き起こす。

二つ目は、太白(テぺク)山脈だ。風は東側に吹くが、太白山脈を乗り越えて下降するときは勢いが強くなる。最後に、太白山脈の上に流れる暖かい空気の影響で、風速がさらに速くなる。夜になると地表の気温は下がるが、上層部の空気は暖かく、風はそれを突き抜けることができない。結局、狭い風の道に沿って移動しながら、速度はさらに速くなる。

5日午前4時半、江原麟蹄郡(インジェグン)と高城郡の間にある彌矢嶺(ミシリョン)の風速は秒速31.2メートルまで速くなった。前日は風速が秒速35.6メートルを記録した。気象庁は、最大風速(10分間平均)が秒速17メートル以上の時を台風に規定する。それこそ台風よりも強い風が吹き荒れたのだ。昨年11月、米サンフランシスコの北側で超大型山火事が発生した時も、秒速22~30メートルの強風が吹いて、森林6万2053haを飲み込んだ。

5日午後からは風が少しずつ弱まっている。江原嶺東地域に出された強風警報(秒速21メートル以上の時)は、昼12時以降強風注意報(秒速14メートル以上の時)へと一ランク引き下げた。午後3時現在、1秒当たりの風速は彌矢嶺が18.1メートル、江陵(カンルン)が10.7メートル、高城が10メートル、束草(ソクチョ)は7.5メートル、東海(トンへ)は6.7メートルなどだ。

今回の嶺東地域森林火災の大きな炎は抑えたが、まだ安心するのは早い。嶺東地域と慶北(キョンブク)、大邱(テグ)などには、3日から乾燥警報が出されている。乾燥警報は、実効湿度が25%以下の時に出される。実効湿度は、以前の5日間の平均湿度に加重値をつけて計算するが、木などの植物繊維の乾燥状態を反映するため、実効湿度が低いほど火災の危険が高い。

さらに、襄杆之風が作り出す突風にも注意しなければならない。気象庁のユン・ギハン予報士は、「4日と5日の間に吹いたような強い風は吹かないだろうが、当面、山火事の地域には局地的に強い上昇の勢いに乗った突風が吹くこともあるので、注意が必要だ」と語った。水が上から下に降り注ぐときは底から跳ね上げるように、太白山脈に乗って降りてくる強い風も、再度跳ね上がって不規則な突風を作り出すこともあるという。


カン・ウンジ記者 kej09@donga.com