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中国、北朝鮮労働者を半数以上送還

Posted March. 28, 2019 08:13,   

Updated March. 28, 2019 08:13

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中国が、2回目の米朝首脳会談が物別れに終わった先月末、約3千人の北朝鮮労働者を送還したことが分かった。中国内の北朝鮮事情に詳しい消息筋は27日、「北朝鮮側によると、中国は先月末だけで中朝国境付近の遼寧省丹東市を含め、中国内の約3千人の北朝鮮労働者を帰国させた」と話した。中国政府が、就職ビザでなく通行許可証などで不法就労した北朝鮮労働者に対する取り締まりを大幅に強化したとみられる。不法就労した北朝鮮労働者に対してこれまで黙認してきた態度が一変したのだ。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領のベトナム・ハノイでの米朝首脳会談決裂の時にも北朝鮮労働者が大量に送還され、北朝鮮には少なからぬ圧力になったとみられる。

同消息筋によると、中国は今年10月末までに中国内の北朝鮮労働者を全員送還するという考えを北朝鮮側に伝えたという。2017年12月に通過した国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議案2397号により、中国は今年12月22日までに北朝鮮労働者を送還しなければならない。制裁状況が変わらない以上、中国に滞在している北朝鮮労働者が全員帰国する時期が早まる可能性がある。

中国外交部の耿爽報道官は26日、定例会見で、「中国が昨年、北朝鮮労働者の半数以上を北朝鮮に送還した」という報道に対して、「最近中国は、国連安保理の北朝鮮制裁委員会に報告書を提出した」と認めた。耿氏は、「中国は、安保理決議による北朝鮮の海外労働者関連規定の履行に関する公告を(中国国内で)数回出した」とし、「対北朝鮮決議を一貫して誠実かつ厳格に履行している」と答えた。

 

中国は北朝鮮の非核化措置に相応する制裁解除の必要性を主張してきた。北朝鮮労働者問題を含め中朝貿易の大半が制裁対象なので、制裁解除がなければ習近平国家主席が北朝鮮を訪問しても北朝鮮に渡す「プレゼント」がない状況だ。中国が、制裁解除を主張しながらも、安保理常任理事国として制裁を厳格に履行するということを対外に示さなければならないジレンマに直面したのだ。一方で、貿易戦争をめぐる米中交渉が長期化し、トランプ氏に攻撃の口実を与えないためにも制裁履行が必要だ。

ある消息筋によると、北朝鮮は中国の制裁履行に不満を示したという。専門家たちは今年、中朝国交70年を迎え、中朝密着が加速化していると見られるものの、実際には表面にあらわれているほど関係が回復したわけではないと指摘した。


尹完準 zeitung@donga.com