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難攻不落の隙間

Posted March. 26, 2019 09:03,   

Updated March. 26, 2019 09:03

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いくら難攻不落の城にも弱点はある。城の設計図を広げて深刻に悩む必要もない。その時代を生きた兵士なら誰もが知っている。ほかならぬ排水口だ。すべての城には、排水路が必要だ。排水できなければ、城壁は水圧に耐え切れず、崩れ落ちるからだ。城の中から外に流れる小川がある場合もある。このような場合は、規模が大きくなるので、排水口の代わりに水門を設置する。水門のあるところは、夏は涼しく、景色もいいのに、戦争が起きると、危険な激戦地になる。丙子胡乱の時、国境の第一線だった義州(ウィジュ)城は、水口から潜入した清の特殊部隊が城門を開いたため、手も付けられずにやられた。もし義州城が一週間でも持ちこたえたなら、丙子胡乱の展開過程は別の方向に流れたかもしれない。

他の国の戦争史にも、排水路から潜入して戦闘の運命を変えるケースがしばしばあった。だからといって排水路を塞ぐこともできない。古代から築城技師たちは排水路の惨劇を防ぐために、様々なアイデアを動員した。忠清北道報恩(チュンチョンブクド・ボウン)にある三年(サムニョン)山城の排水路は、直線ではなく折れている。人が潜り込んできても、槍や機器を持って入れないようにするためだった。パルテノン神殿のあるアクロポリスは、アテネを守る山城要塞でもある。その城壁の排水路も三年山城のように曲がっている。そのほかにも城ごとに考案された幾つかの設計がある。水路の途中に鉄柵を設置したり、水路の途中に深い水槽を作って、侵入者を溺死させたりする。城壁の下に深い地下水路を掘り、川の下に繋げて排水口自体を隠す方法もあった。

いくら奇抜なアイデアを出し、大変な工事をしても、人が作ることができれば破壊することもできる。これは人間史の悲しくも偉大な真実だ。平和な時期でも戦争は続く。新しいアイデアや技術を考案し、壊して修正し、新たに作る。一部の人たちは、これは無駄であり、ひどい場合は不正とも呼んでいる。しかし、それは逆なのだ。食べるものや着るものは、個人が耐えることができれば、一生同じものだけを食べ、着ていても生きることができる。しかし、戦争のための準備は、「この程度で十分」と思った瞬間、すでに敗北と破滅の道に踏み入れているのだ。