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北朝鮮の挑発を挑発と言いたくない国防部長官

北朝鮮の挑発を挑発と言いたくない国防部長官

Posted March. 22, 2019 08:32,   

Updated March. 22, 2019 08:32

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鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は20日、国会対政府質問で、「西海(ソヘ・黄海)守護の日」について、「南北間の思わしくない衝突を追悼する日」と述べた。野党議員に「挑発か、衝突か」と繰り返し問われ、「北朝鮮の挑発による衝突」と訂正した。西海守護の日は、北朝鮮の哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没、延坪島(ヨンピョンド)砲撃、第2延坪(ヨンピョン)海戦など3大西海挑発で亡くなった55人の犠牲者を称え、安保意思を堅固にするために2016年に国家記念日に指定された。このような趣旨をよく知る国防部長官の発言は、耳を疑わせた。

鄭氏が言及した「思わしくない衝突」は、韓国と北朝鮮が共に責任を負うべき素地があるという趣旨だが、3大西海挑発の犠牲者の英霊を冒涜する妄言だ。鄭氏は1月にも番組に出演して、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮動労等委員長のソウル答礼訪問時、天安艦沈没、延坪島砲撃に対する謝罪問題と関連して、「過去のそのような部分について考えているが、未来の次元で一部理解し、過去にとどまらず前進しなければならない」と北朝鮮挑発の責任をあいまいにし、議論になった。軍将兵を統率し、韓国の領土と国民の安全に責任を負う国防部長官が、過度に北朝鮮の顔色をうかがい、自身の本分を忘却したのだ。

鄭氏はまた、9・19軍事合意が安保無力化につながるとして廃棄を求めた予備役将軍に対して、「非常に誤った知識であり、理念的な部分でそのように言っている」と述べた。国防長官が予備役将軍の忠告を「誤った知識」と言い放ったことも呆れるが、その論理も詭弁に近い。9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言の付属書類である南北軍事分野の合意のうち、北朝鮮が望んだ飛行禁止区域の設定などはほとんど実現された。北朝鮮は、西海付近の海岸砲を開いたり、西海上の北方限界線(NLL)を否定する「不当通信」をしてきたが、韓国側は抗議すらできずにいる。予備役将軍はこのような問題点を指摘したのに、国防長官は理念問題に追いやっている。

今日は西海守護の日だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年に続き今年も記念式に出席しないという。非核化交渉が漂流し、韓半島周辺の緊張も高まる状況で、大統領府は南北関係の進展にだけ執着し、国防部長官はそのような権力の意向に従うことだけに汲々としているようで嘆かわしい。