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欧州で反移民論議が激化

Posted March. 22, 2019 08:33,   

Updated March. 22, 2019 08:33

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欧州で反移民をめぐる論議が激しくなっている。イタリアの反移民政策に不満を抱いたセネガル系のバスの運転手が、中学生を乗せたスクールバスを拉致して火をつけ、トルコ移民による「路面電車銃撃事件」が起こったオランダの地方選挙では、反移民首唱者が勢いをつけている。

AP通信など外信は21日、イタリア北部クレモナのある中学生51人と引率者を乗せたスクールバスが20日、ミラノ南東部郊外の道路で全焼したと報じた。バスが燃える前に生徒は救助され、人命被害はなかった。

警察は、セネガル出身のバスの運転手、ウセヌ・シ容疑者(47)を放火の疑いで逮捕した。容疑者は、2002年からスクールバスを運転し、04年にイタリア市民権を取得した。イタリア国籍の女性と結婚したが離婚し、前妻との間に2人の10代の子どもがいると、現地メディアは伝えた。一部では、飲酒運転や性犯罪疑惑も取り上げられている。

バスに乗った生徒たちによると、容疑者は逮捕直後、「地中海で起きている難民の死を止めなければならない。難民の死は、サルヴィーニ副首相のせいだ」と叫んだ。また別の生徒は、「イタリアに来ようとして海で溺れて死んだ自分の娘3人の復讐のために私たちを殺そうとした」と発言したが、事実かどうかは確認されていない。容疑者が犯行を準備した情況も分かった。犯行前日にガソリンを購入し、イタリアとセネガルにいる友人に「アフリカよ、立ち上がれ」というメッセージも送った。

イタリアでは昨年6月、西欧で初めてポピュリズム政党が政権を獲得した。反既成政治を掲げた「五つ星運動」と極右「同盟」は政権の座につくと反移民政策を施行した。これを主導したのが同盟党首のサルヴィーニ副首相兼内務長官だ。サルヴィーニ氏は昨年8月、難民の下船を10日間故意遅らせて法廷に立ったが、免責特権で免れた。昨年11月、イタリアに入国する難民に対する居住許可発行を制限する「社会安全強化法」の通過も主導し、今年1月にはローマ付近の難民センターを事前の告示なく突然閉鎖した。

20日のオランダ地方選挙でも、反移民政党「民主主義のためのフォーラム」が躍進した。2016年9月創党の新生政党で、創党後初めて上院に進出し、10議席は確保するだろうとAPなどが見通している。

現地メディアは、選挙2日前の18日、中部ユトレヒト市内の路面電車でトルコ系の男が銃を乱射して3人が死亡した事件で動揺した民心が反映されたと見ている。今回の選挙で、12の地方で地方議員570人が選出されるが、上院75議席を地方議員が選出する間接選挙なので、結果によって上院の構成が変わる。ユトレヒト事件後、主要政党は選挙運動を中断したが、「民主主義のためのフォーラム」のボーデ党首は、「失敗した移民政策で事件が発生した」と政府を非難した。

ある出口調査によると、ルッテ首相が率いる自由民主党(VVD)、民主66、キリスト教民主同盟、キリスト教連合の連立与党4党は、今回の選挙で31議席を確保するにとどまった。連立与党は現在、上院で38議席を占めているが、今回の選挙で過半数が崩壊する危機に置かれた。現在4議席を占めている緑の党は8議席に増え、極右政党の自由党(PVV)は現在の9議席から6議席に減ると予想される。


ウィ・ウンジ記者 イ・ユンテ記者 wizi@donga.com · oldsport@donga.com