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アルコールとカフェイン…人間が愛した飲み物の歴史

アルコールとカフェイン…人間が愛した飲み物の歴史

Posted March. 16, 2019 08:05,   

Updated March. 16, 2019 08:05

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「飲む」ということが水分摂取を意味するだけではないということは誰でも分かっている。飲み物は親睦と社交の核心要素であり、アルコールとカフェインという中毒性物質がこれに介入する。ここから様々な問題が起こることも誰もが知っている。人はなぜ「(問題が起こるほど)飲むのか」。香りや色で特徴づけられた飲み物はどのような歴史を持っているのか。

『酒に酔った猿』の著者は、「どのような利点で人間はアルコールを求めるようになったのか」という進化心理学的観点で論旨を展開していく。果物が主食だった時代、霊長類は熟した果物を求めて木々を探した。熟して発酵が始まった果物はアルコールのにおいを四方に漂わせた。これは熟した果物よりも明らかな「表示」となった。アルコールのにおいがする所に行けば、高カロリーという補償を受けることができた。その結果、人間はアルコールに耽溺するようになったという分析だ。

人間は、選択的な発酵によって酒を製造し、さらに蒸留を通じてその濃度を高める。これは思ったよりも古い行為かもしれない。中国では、猿がアルコールを作るために岩の隙間に果物を隠す行動が報告された。しかし、現代社会で人間は木を探した時とは全く異なる環境に置かれている。もはやアルコールの副作用が利点よりもはるかに多いのだ。しかし、アルコールの強制的な規制は歴史上成功した例がないということも、著者は強調する。

『低級な酒と上流社会』は、議論の対象である「飲み物」を酒類に限定せず、コーヒーと茶にまで広げる。その代わり著者が扱う歴史は英国という地域に限定される。酒によって商業の活性化に貢献した中世の「旅館」、芸術家と政治家の人脈プールを形成した「ワインバー」、女性参政権運動の中心となった近代のティーハウスなどを紹介し、飲み物が英国社会に及ぼした役割を鳥瞰する。150枚余りのカラーのイラストが視覚的に面白味を加える。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com