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イスラエルとポーランド、またも「ホロコースト衝突」

イスラエルとポーランド、またも「ホロコースト衝突」

Posted February. 20, 2019 07:54,   

Updated February. 20, 2019 07:54

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ポーランドのモラウィエツキ首相が18日、イスラエルのエルサレムで開く予定だったヴィシェグラード4ヵ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア)首脳会談に参加しなかった。会談開催国のイスラエルのネタニヤフ首相が、「ナチスのユダヤ人虐殺当時、一部のポーランド人が加担した」と発言したことへの抗議を表示だった。

AP通信は同日、「ヴィシェグラード4ヵ国首脳会談が中止になった。『ホロコーストに多くのポーランド人が協力し、これに対する明らかな責任がある』というネタニヤフ氏の発言にモラウィエツキ氏が反発して参加しなかった」と報じた。ホロコーストはm第2次世界大戦中、ナチス・ドイツが行ったユダヤ人大虐殺を意味する。米ニューヨークのホロコースト記念館の記録によると、ナチスが虐殺したユダヤ人600万人のうち300万人以上がポーランドで命を失ったという。

ポーランドとイスラエルの対立は14日、ポーランドのワルシャワで開かれた反イラン国際会議に参加したネタニヤフ氏の発言で始まった。ネタニヤフ氏はメディアとのインタビューで、「ポーランド人がナチスに協力した」と述べ、ポーランド人を刺激した。イスラエルのカッツ外相代理も18日、自身を「ホロコースト生存者の息子」とし、「ポーランド人はナチスと協力してユダヤ人の虐殺に加担し、このためポーランドはユダヤ人の最大の墓地になった」と述べた。

モラウィエツキ氏は直ちに、「イスラエルの発言は人種差別的だ。絶対容認できない」とし、「歴史の真実とポーランドの名誉のために戦う」と反論した。同日、チェコ、ハンガリー、スロバキアの首脳は、ヴィシェグラード首脳会談に代わってネタニヤフ氏との2国会談を行った。

ポーランドとイスラエルの対立は初めてではない。ナチスがポーランドに設置したアウシュビッツ強制収用所のためにポーランドがユダヤ人虐殺に加担したという誤解を受け、国家イメージが失墜したというのがポーランドの認識だ。イスラエルは、ポーランド人がユダヤ人を殺害したり経済的利益のために恐喝・脅迫した証拠があるとし、責任を追及している。

昨年初め、「ポーランドがユダヤ人虐殺に関与した」と非難すれば、国民や外国人に関係なく最大で懲役3年の刑を科すことができるポーランドの「ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)に関する法」をめぐっても両国は対立した。当時、ポーランドはイスラエルと米国の反発を受け、懲役刑条項を削除した。

AP通信やイスラエルの地元メディアは、「4月の総選挙を控えたネタニヤフ氏が票心を集めるために『ポーランドカード』を取り出した」と分析した。ヴィシェグラード首脳会談をエルサレムで開催して外交的影響力を誇示することで、「ユダヤ人虐殺」、「ナチス」について言及し、民族主義者を結集させることが有利と判断したとみえる。


徐東一 dong@donga.com