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あれほど多かった隠しトラックはどこへ行ったのか

あれほど多かった隠しトラックはどこへ行ったのか

Posted February. 20, 2019 07:56,   

Updated February. 20, 2019 07:56

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「『CDの終末』、これ、記事のネタとしてはどうでしょう?」

親しい音楽評論家のH氏は、近いうちに中古CDのフリーマーケットを開く計画だ。先日、引っ越したが、スペースが狭くて所蔵しているCDを大量に処分したいという。「CDの終末」を扱いながら、自分のフリーマーケットの話も入れてほしい、一言でいえばPRしてくれという冗談だ。

「終末」は全く無駄口ではない。ユーチュ―ブと音源サービスが登場して、CDは人気が急落した。お土産のように見て触れる楽しみの大きいLPレコードや可愛らしいカセットテープより物性が落ちているので、邪魔者扱いされる。

伸びることも、減ることもないCDは、かつて革新的媒体として崇められた。もう本当に無駄になっていくのか。そうするうちに、ふと恐怖の夜が思い浮かんだ。米バンド「ナイン・インチ・ネイルズ」のアルバム「Broken」を初めて聞いた日。

6番曲「Gave Up」が終わると、CDプレーヤーが変だった。トラック番号が悪霊に憑かれたように急速に上がり始めたのだ。7、8、9、10、11、12…。97まで沈黙の中で数字だけが上がったが、「98」のところで止まると、ここから新しい曲が出てきた。隠しトラックである。

バンド・トゥールの「Undertow」(写真)も似ていた。9番曲の後、沈黙の中で曲番号だけが上がって、69番で隠しトラック「Disqustipated」(QRコード)が登場する。他の方法も存在した。CDに表示されている長い最後の曲の中に、別の曲を隠しておくこと。ニルヴァーナの「Nevermind」がそうだったように。宝探しは非常に胸をときめかせた。

あれほど多かった隠しトラックはどこに行ったのだろうか。音源サービスに移動しながら、次々と逮捕されて日向に出てきた。「Hidden Track」という二律背反のタイトルをつけて、13番曲に配置されることもあったし、最初から漏れることもあった。

レジスタンスはある。アーケード・ファイアは「Reflektor」の最初の曲の前に隠しトラックを置いた。1番曲をCDで再生後、「先を探索」ボタンを押してこそ見つけることができる。

フレーミング・リップスの四枚のアルバム「Zaireeka」(1997年)は、極端な例だ。 4枚のCDや4枚のLPを同時に再生して、重ねて聞いてこそ完全に鑑賞できる。4台のCDプレーヤーや4台のターンテーブルが必要なわけだ。トゥールは、アルバム「10、000Day」にもいたずらをした。収録曲三曲を重ねて聞けば、新しい曲に聞こえるようにしておいた。

トゥールが新作を出すという。実に13年ぶりのことだ。世の中が変わったユーチューブの時代に、またどのようなかくれんぼを提案するのか。密かにときめく。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com