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自治警察制の拡大と検察・警察の捜査権調整の核心は権力統制だ

自治警察制の拡大と検察・警察の捜査権調整の核心は権力統制だ

Posted February. 15, 2019 09:32,   

Updated February. 15, 2019 09:32

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党、政府、大統領府が14日、中央政府の管轄下にある警察の治安機能と一部の捜査機能を地方政府の管轄下の地方警察に委譲する自治警察制の導入案を発表した。これまで済州(チェジュ)で試験実施されたこの制度を今年中にソウルや世宗(セジョン)市など5市道で拡大試験実施する段階を経て、2021年に全国で実施する計画だ。

党、政府、大統領府が合意した自治警察は、捜査機能が女性、青少年、交通事件など生活事件に限定されるという限界がある。殺人や詐欺など一般の刑事事件を扱うことができない自治警察に対して、防犯隊員の機能を多少強化したにすぎないという批判が出ている。先進国の自治警察に比べて、党、政府、大統領府が合意した自治警察は、恰好だけ自治警察という批判を受けている。

検察と警察の捜査権の調整がないと仮定すれば、このような形で自治警察制を導入した後、徐々に権限を拡大するとしても大きな問題はなく、新しい制度の軟着陸にむしろ助けになり得る。しかし、近く行われる検察と警察の捜査権の調整で、国家警察が検察の捜査指揮を受けない捜査の独立を獲得する場合、全国にわたって膨大な情報収集組織まで備えた国家警察権力の肥大化は火を見るより明らかだ。

むろん、自治警察の権限を強化することについて正反対の懸念があるのも事実だ。韓国は、地方自治の伝統が浅く、自治警察に初めから多くの捜査権が与えられる場合、地方自治団の主張への政治的従属、地方土豪勢力と自治警察の癒着などの副作用が発生する可能性がある。捜査の専門性という点でもずさんな捜査の憂慮が出ている。

そのため、検・警改革は、2つの相反する憂慮を同時に解決する方向でなされるべきであり、その核心は2つの権力機関に対する国民の統制を強化することだ。検察権と警察権は、大統領を帝王にする最も重要な2つの権力だ。検察が強くなろうが警察が強くなろうが、その下にある国民には朝三暮四にすぎない。警察権の十分な分散がなされない状況での検察の捜査指揮権の廃止はかえって改悪になる恐れがあるが、だからといって検察を「無所不為(不可能なことがない)」の権力にする捜査指揮権をそのままにすることはできない。欧州大陸の国家はたいてい司法評議会という合議体方式の統制機構を置き、大統領が検察に対して持つ権限を牽制する。そのような内容は議論から除かれているため、検・警捜査権の調整も自治警察制の拡大も容易ではない。