Go to contents

アップルに3年先行したのに葬られた「心電図時計」が蘇る

アップルに3年先行したのに葬られた「心電図時計」が蘇る

Posted February. 15, 2019 09:33,   

Updated February. 15, 2019 09:33

한국어

病院に直接行かなくても、スマートウォッチで測定した心電図データを送信して、心血管疾患の相談を受けられる道が開かれた。スマートフォンを通じて臨床試験への参加者を募集し、過料の請求書、入営通知書など様々な公共告知書をモバイルで受け取ることも可能になった。

政府が、情報通信技術(ICT)分野の規制サンドボックス適用の第1号としてデジタル・ヘルスケア・スタートアップへの規制を緩和した。科学技術情報通信部は14日、政府果川(クァチョン)庁舎で、「第1回新技術・サービス審議委員会」を開いて、このような内容の規制サンドボックス適用事業3件(事業者は4ヶ所)を承認した。申し込み企業に限ってそのつど事業を認める「件別特例」への批判を意識したように、規制機関に同種サービスの一括許可を通知する決断も見せた。

●デジタル・ヘルスケア・スタートアップ力の肩を持った政府

審議の結果、スマートウォッチを活用した遠隔心臓管理(ヒューイノ)、公共告知書のモバイル通知(KT、カカオ)サービスが、2年間規制を受けないか、一時的に許可された。臨床試験希望者のオンライン仲介(オリーブヘルスケア)は、実証特例を受ける代わりに、最初からサービス自体が適法だという行政解釈を獲得した。

今回実証特例の承認を受けたヒューイノは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12日の閣議で、「規制のせいで外国より市販が遅れた事例」として指摘したメーカーだ。ヒューイノは、2015年に心電図の測定が可能なスマートウォッチを開発したが、許可を受けられず、3年以上も韓国国内で市販できなかったが、昨年9月、同じ機能が搭載された「アップルウォッチ4」の発売によって先手を打たれた。

ヒューイノのキル・ヨンジュン代表は、「規制の不備で製品の発売は遅れたが、今回の特例で医療ビッグデータ業界の主導権を取り寄せる足掛かりができた」と期待を表わした。模倣しやすいハードウェア市場より、人工知能(AI)とビッグデータを利用した医療分野のソフトウェア産業の規模がはるかに大きいからだ。

ヒューイノが4年前に試作品を披露した心電図測定スマートウォッチは、来月、ウェアラブル医療機器としては初めて、食品医薬品安全処の認証を受ける。科学技術部は、食品医薬品安全処の医療機器の認証と共に、ヒューイノと協力して高麗(コリョ)大学安岩(アンアム)病院で2000人の患者を対象に2年間、心電図データを産業的に活用できる道が開かれた。心血管に疑いの症状が生じれば、軽い症状でも大手病院に行くことが多かった。しかし、スマートウォッチを通じた随時監視が可能になれば、軽度症状の患者は、1、2次医療機関に案内し、重症患者には異常発見時の来院案内を事前にすることができる。

キル代表は、「患者の利便性向上はもとより、心電図のビッグデータサービス市場の先取りを狙えるようになった」とし、「韓国医療データの産業界にとっては象徴的な出来事だ」と語った。

政府はまた、別のデジタル・ヘルスケア・スタートアップ「オリーブヘルスケア」が申請した「臨床試験のオンライン仲介」サービスについては、申し込み企業への「件別特例」の代わりに、すべての臨床試験実施機関にオンライン仲介が可能であることを告知することにより、該当サービスを丸ごと許可する有権解釈を下した。新聞や地下鉄広告などのオフラインと機関のホームページのみに破片的に公開され、アクセス性が落ちていた臨床試験参加者募集の効率を向上させ、新薬や商品開発のスピードを早めることが期待される。

●「利害対立よりは国民の便利便性や産業効果を優先」

今回の初のICT規制サンドボックス審議では、政府の革新サービスへの前向きな姿勢がうかがえる。ヒューイノの場合、審議の過程で遠隔診療について各病院の反発など最後にトラブルもあったが、業界の利害衝突より患者の利便性と産業活性化の側面を考慮して、ファーストトラックで可決させる破格を見せた。文大統領の「先に許容、後に規制」の指示と一脈相通じる。科学技術部の兪英民(ユ・ヨンミン)長官も会議を終え、「国民の生命と安全を阻害しない限り、ICT規制サンドボックスの指定を前向きに推進したい」と積極的な姿勢を見せた。

一方、既にサービスが施行されたが、法令根拠の不備でブレーキがかかった公共部門の請求書のモバイル電子告知も、個人情報活用の負担から自由になった。パスポートの有効期限切れの案内、入営通知書、交通反則金の告知など、これまで郵便で受けなければならなかった告知書を、モバイルでも受けられるようになった。科学技術部は、今回の臨時許可で2年間で約900億ウォンのコストを削減すると予想した。


申東秦 shine@donga.com