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海外メディアも注目する韓国の公務員試験ブーム

海外メディアも注目する韓国の公務員試験ブーム

Posted February. 09, 2019 08:47,   

Updated February. 09, 2019 08:47

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8日正午、ソウル銅雀区鷺梁津(トンジャクク・ノリャンジン)の考試村。全羅南道木浦(チョンラナムド・モクポ)が故郷である警察公務員(警察官)の試験を準備しているユン氏(30)は、昼食も食べずに「一所懸命に勉強」していた。旧正月連休にも故郷を訪れず鷺梁津考試院と熟とを行き来しながら勉強ばかりしたという彼は、「公務員試験を準備する人たちは旧正月連休を嫌っている。飲食店が営業をしないので、数日間ひたすらコンビニ弁当ばかり食べるからだ」と話した。

2年間「公務員試験(公試)」を準備しているシン・ミンジョンさん(29・女)も、故郷である慶尚北道慶州(キョンサンブクド・キョンジュ)に行かなかった。4月6日に9級公務員の筆記試験を控えている彼女は、連休中も夜11時まで勉強した。シンさんは、「大企業入社は針の穴であり、いざ合格しても長く務めるのは難しい」とし、「さらに何年がかかるかわからないが、受かるまで公務員試験を受けるつもりだ」と明らかにした。

この日、鷺梁津のカップご飯通りには、店ごとに並んでカップご飯を食べる公試準備生たちで足の踏み場がなかった。4月は9級公務員のほか、警察公務員試験(27日)も実施されるので、2ヶ月が残った今は1分1秒が惜しい時期といえる。鷺梁津にあるジオン読書室職員であるキム某さんは、「実家が首都圏の受験生たちも、連休に家に帰らず、1日利用券を購入して読書室に来た」とし、「旧正月当日の5日の利用者は、普段より2倍以上多かった」と説明した。

昨年4月、建国(コングク)大学博士課程のキム・ヒャンドク氏とKAIST博士課程のイ・デジュン氏の論文「公務員試験の受験生の規模の推定と実態に関する研究」によると、韓国公試受験生の規模は約49万人。働き盛りの若者たちがひたすら公務員だけに拘る現象を海外メディアも注目している。

米ロサンゼルス・タイムズは6日(現地時間)、3面のトップ記事として「米最高名門であるハーバード大学への入学より、韓国公務員試験の合格競争のほうがより激しい」とし、「韓国の経済成長が減速し、輸出主導の産業で中国との競争が激化したことで、若者たちが景気後退の影響を受けない公共職に詰めかけている」と診断した。昨年4953人を最終選抜したとある公務員試験には、20万人の志願者が殺到して、2.4%の合格率を記録した。昨年ハーバード大学志願者の合格率(4.95%)の半分ぐらいである。

LAタイムズは、企業と中小企業間の雇用格差が大きいことも、公務員試験のブームを煽る原因だと分析した。「三星(サムスン)、LGなどの大企業と中小企業間の賃金、勤務条件などに大きな違いがあるので、大企業の入社競争も激しい」とし、「インターン経験、高い単位、外国語能力など、大企業に印象を残すだけの履歴書のない若者たちが、公務員試験に目を向けている」と伝えた。続いて「文在寅(ムン・ジェイン)政府は1年前から就職難解消のために様々な政策を展開しているが、韓国の多くの若者たちは、民間職業の見通しがすぐに良くなるとは期待していない」と付け加えた。

昨年11月、香港サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)も、韓国を「過剰教育社会」と診断した。名門大学入学のために修学能力試験を勉強し、公務員、大企業などのホワイトカラーの仕事を得るために入社試験を受け、入社後も昇進試験を受けるなど、「勉強の連続」だという。スタンフォード大学社会学科のシン・ギウク教授は、SCMPに「韓国の過剰勉強文化によって若者たちが実際の世界に出てくる準備をする時間が不足している」と懸念を示した。

2017年、米公共ラジオ放送PRIは、「20〜30代の韓国青年の約3分の2が、大学卒業証書の保有者だ」とし、「しかし、大学を卒業したからといっって、三星のような夢の職場に入社するという保証はない」と指摘した。さらに「これに代わるだけの安定的な仕事を持ちたいという欲求は、韓国の若者たちに公務員試験を受けさせている」とし、「経済が良くなくても、政府は引き続き公務員を採用し、一度公務員になれば、定年まで仕事ができるからだ」と分析した。


キム・ジェヒ記者 ウィ・ウンジ記者 jetti@donga.com · wizi@donga.com