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実直な時調詩人、李秉岐

Posted December. 14, 2018 08:08,   

Updated December. 14, 2018 08:08

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「蘭」、「星」など馴染みのある時調を残した嘉藍(カラン)・李秉岐(イ・ビョンギ)。彼は時調革新の方向を提示した記念碑的論文「時調を革新しよう」を書き、書誌学、国文学でも多くの業績を残した。国語国文学および国史に関する膨大な文献を収集し、ソウル大学に「嘉藍文庫」が設置された。埋もれていた古典作品、「閑中録」、「仁顕王后伝」、「要路院夜話記」、「春香歌」などのシン・ジェヒョのパンソリを発掘した。先生の文字を分析すると、感性よりも理性が発達し、実直で、詩人よりも学者や志士がより似合う。しかし、先生が残した珠玉のような時調を見ると、詩人や芸術家には感性が重要なので実直さは難しいという主張は言い訳にすぎないことが分かる。

正確な正四角形でバランスが取れている文字は、独創的でなく学んだ通りで、保守的で理性的であり、用心深いことを意味する。このような人には、日和見主義的な指向や気まぐれなところは見当たらない。融通性に欠け、硬直した文字は意志が強く批判的であることを示す。母音の開始と終わりのはねが目立つが、これは意志が非常に強いことを物語る。先生は朝鮮語学会事件で監獄を経験しただけでなく、彼の後期の時調は不正の告発、権力の横暴に対する抵抗が含まれている。

先生の文字はスピード感がない。スピード感のない文字は、正確で思慮深い人が主に書き、学者、完璧主義者に多く見える。字間の隔が狭いのは、自ら判断し、自意識が強く、自己表現と自分の認識に厳格であることを示す。新しい環境や別の環境への適応が上手い方ではない。しかし、規則を守り、信頼に値し、意志と集中力があることが分かる。文字を構成する部分の間の空間に余裕があり、やわらかさも時々うかがえ、「花草福」、「弟子福」、「酒福」がある「三福之人」と自任できたのだろう。

弁護士・筆跡研究家