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「人を殺す規制」すら緩和できなくて、他の規制はどうだろうか

「人を殺す規制」すら緩和できなくて、他の規制はどうだろうか

Posted November. 21, 2018 08:26,   

Updated November. 21, 2018 08:26

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保健福祉部が119救急隊員が、緊急時に取ることができる医療行為の範囲を拡大する案を検討することにしたという。国会でも似たような内容の緊急医療改正案は間もなく発議される予定だ。東亜(トンア)日報が、救急隊員が急性心筋梗塞患者の心電図を測定したり、緊急分娩した子供のへその緒を切ると実刑に処することができるというとんでもない医療規制を相次いで批判すると、2000年に現行の緊急医療法が作られてから、18年間縛られていた規制が緩和される兆しは鼓舞的だ。

時代の変化を反映できなかった医療規制は、心電図測定、へその緒の処理だけではない。救急救命士である119救急隊員が、心臓が止まった患者に自動除細動器ではなく、手動除細動器を使用することや、糖尿病の合併症ショックに陥った患者の血糖値を測ることまでが違法である。このような事実が知られると、医療界を中心に「人を殺す規制」との批判が広がっている。

救急隊員は、文字通り緊急状況に対処する人々である。どのような突発状況が発生するか分からないのに、法規定に定められたものだけがやり、残りのことはできなくしたのは、現実とかけ離れた典型的な卓上規制ともいえる。救急隊員ができることだけを記載しておいて、他のことをすれば、法で処罰する現行の「ポジティブ方式」を変えて、禁止事項のみを表示し、残りはすべてできるようにする「ネガティブ方式」へと規制方式自体を変えなければならない。これは応急処置に関連する規制だけではない。政府が掲げる規制革新を成し遂げるためには、他の規制も原則的に「ネガティブ」方式に切り替えなければならない。

心配なのは、今回も政府と国会が関連規定にメスを入れるとしながら、利益集団の反対に遮られて立ち消えになることだ。昨年の国政監査で、福祉部長官が救急救命士の業務範囲の改正を積極的に検討すると口にしてから1年が過ぎているのに、まだいかなる後続措置も出ていない。人命を生かす規制を緩和することもこのように引き延ばしているのに、他の規制はいうまでもない。しつこすぎる規制の輪を今度こそ断ち切らなければならない。