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自助自足する若葉台団地の老人たち

Posted November. 20, 2018 08:25,   

Updated November. 20, 2018 08:25

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住民のうち65歳以上が44%を占める日本のある団地を訪れる機会があった。40年前、ベッドタウンとして造成された若葉台団地。横浜の中心街からバスで50分の距離、約27万坪の土地に約6300世帯のために建てられた団地だ。最盛期は人口2万人を超えたが、今は約1万4千人。40年前に30代前半で入居した若い夫婦が、子どもが成長して独立し、70代の老夫婦として再び2人だけになった姿が団地の典型的な風景だ。3校、2校あった団地内の小学校と中学校は、今は各1校になった。

ここまで聞くと無力な「老いた村」を連想しやすいが、ここはそうではなかった。早朝、それぞれパターを持ってグラウンドゴルフの練習をする高齢者で旧学校の運動場はいっぱいになった。午前10時頃、商店街には散歩や登山などのために集まった人が挨拶を交わし、人員点検をしていた。

「よそではここを『横浜のチベット』と呼びます。若い世代は育児しやすく、高齢者も暮らしやすい共同体という意味でしょう」。約10の自治会を総括する連合会会長の山岸弘樹会長(70)の自慢だ。

住民と行政当局、住宅公社まで力を合わせて団地の人気と名声を持続させる努力もすごい。「介護予防」システムが特に印象的だった。介護が必要な状況にならないよう「予防」に主眼点を置いている。このため、高齢者が体を動かし、他人と接触するようプログラムがきめ細かく用意されている。例えば、自治会が運営するスポーツ文化クラブは、約1700の会員のうち60%が高齢者だ。野球場、廃校の校庭、テニスコートは延べ8万5千人が利用する。住民が開催する運動会や文化祭、年間17回のグラウンドゴルフ大会も交流の場になる。すべてのプログラムは高齢者の手で運営されている。

住宅公社の協力で、商店が去った場所に住民のための施設が次々に入っている。3年前にオープンした「ダイニング春(Haru)」は団地に住む約30人の「主婦」がボランティアで運営し、実費だけを受け取って「家庭の食事」を提供する。「一人飯」を食べる人を呼び出すための交流施設だ。「ダイニング春(Haru)」の開設を主導した70代と80代の2人の「主婦」の表情は生き生きとしていた。その向い側には高齢者生活支援センターがあった。高齢者が申し込めば、電話と訪問を通じて安否を確認し、500円(約5千ウォン)だけを受け取って30分間、買い物や掃除などを支援する。孤独死を防ぐために6世帯を1組にして組別に隣人に異常がないか確認する態勢も稼動している。若い世代を呼び込むために空いた店舗の場所に育児の憩い場を作り、老人たちが行き来して憩い場に立ち寄り、泣いている赤ん坊をなだめたり、子供たちと触れ合う。

このような努力のおかげか。若葉台の住民は平均年齢に対する介護保険対象認定者の数が日本で最も少ない。それだけ健康だということだ。住民たちはここでの暮らしを十分に楽しみ、満足し、人生の最後の住処と考えている。そのため暮らしやすい場所にするために住民自ら努力していた。

韓国の65歳以上の人口は現在14%、2060年には40%を超えると見通される。することがなく1日7時間、地下鉄に乗ってその日を送るという人もいれば、生活戦線に追い込まれている人もいる。高齢者の大半が貯蓄も年金も十分ではない。韓国の高齢者には若葉台住民の生活風景が「遠くの話」のように聞こえるかも知れない。

しかし、若葉台は遠からず私たちも実現しなければならないモデルになり得る。遅れたと考える今、その準備を始めなければならない。


徐永娥 sya@donga.com