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文政権、「金正恩氏の年内韓国訪問」に向け雰囲気づくりに必死

文政権、「金正恩氏の年内韓国訪問」に向け雰囲気づくりに必死

Posted November. 20, 2018 08:25,   

Updated November. 20, 2018 08:25

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大統領府が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の年内答礼訪問の可能性を強調している。2018年を1ヵ月余り残して、正恩氏のロシア訪問や中国の習近平国家主席の訪朝など大型の非核化イベントが皆来年に持ち越されたが、正恩氏の年内ソウル答礼訪問に対しては依然として期待を持ち続けているのだ。

大統領府関係者は19日、「正恩氏が来月ソウルを訪問するかどうかは近く決定されるだろう」とし、「正恩氏の年内答礼訪問が実現することを基本シナリオに準備している」と話した。これに先立ち文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、ペンス米副大統領と会って、「近く正恩氏の答礼訪問と2度目の米朝首脳会談を目前にしている」と明らかにした。

政府はこれまで南北間の水面下の接触を通じて、正恩氏の年内答礼訪問を打診してきたという。北朝鮮も、正恩氏の12月のソウル訪問の可能性を開いていたという。このため、政府は任鍾晳(イム・ジョンソク)大統領秘書室長が委員長を務める南北共同宣言履行推進委員会を中心に、正恩氏の答礼訪問の準備も進めているという。

また別の外交筋は、「今月内に米朝高官協議が開かれれば、南北高官協議の早期開催を準備しているようだ。これは他でもなく正恩氏のソウル答礼訪問を準備するためのものだ」と話した。これに対して政府当局者は、「(正恩氏のソウル答礼訪問前に)履行状況を点検するために南北高官協議を行う必要がある。ただ、まだ具体化されていない」と説明した。

正恩氏の答礼訪問の有無と時期は、米朝首脳会談の日程という変数に大きく影響を受ける。米朝高官協議を通じてトランプ米大統領と正恩氏の首脳会談の日程が輪郭を表わすので、もし米朝が1月の首脳会談開催に合意すれば、正恩氏の年内答礼訪問はむしろ難しくなる。金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会第1副部長、金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長、金昌善(キム・チャンソン)労働党書記室長などソウル訪問を準備する中心勢力がすべて米朝首脳会談準備にあたるため、直前にソウルに来ることは難しい。

一方、米朝首脳会談が2月以降に持ち越される場合、正恩氏の年内ソウル答礼訪問の可能性は高まる。核・ミサイル施設の査察・検証の強化と制裁緩和をめぐって米朝が高官協議でも接点を見出すことができなければ、正恩氏の年内答礼訪問で非核化の動力を作ることもできる。

9月の平壌(ピョンヤン)訪朝で、シンガポール首脳会談後に揺れた米朝非核化交渉の動力を蘇らせたように、正恩氏の答礼訪問で再び南北関係を通じて非核化を促進させるということだ。これに対して政府当局者は、「南北間の意志が重要であり、2、3週間の準備期間だけでもソウル答礼訪問には問題はない」と強調した。しかし、外交関係者の一部では、「国際社会から事実上敬遠された制裁緩和論のように韓国だけ正恩氏の年内訪問が可能だと主張しているのではないか」という懸念の声もある。


ムン・ビョンギ記者 ファン・インチャン記者 weappon@donga.com · hic@donga.com