Go to contents

里帰り

Posted November. 17, 2018 08:25,   

Updated November. 17, 2018 08:25

한국어

この詩は、修学能力試験問題集に常連のように登場する。主題は何か、性格が何なのか、アンダーライン引きながら覚える詩だということだ。目まぐるしく勉強する子供たちに、詩を味わう時間などどこにあるだろうか。詩の趣とか、余韻を味わう余裕などどこにあるだろうか。何を言っているのかもわからないのに、がむしゃらに問題を解いたはずであり、そうするうちに嫌になったりもしただろう。詩は知識ではなく、心から出発するが、試験は心ではなく、知識から出発する。

申庚林(シン・ギョンリム)の「里帰り」は、1981年11月に発表された。今が11月だから、ちょうど37年前にこの世に出てきたことになる。37年前の里帰りは、あるいは故郷を離れる足取りはどうだったのだろうか。貧しい家に生まれた、おそらく働き盛りの人がこの詩に登場する。青年とは青い夢を持った人の名前だ。ところが、この人の夢は、すでに夕焼けのように衰えている。彼には夢見る余裕すらない。自宅は手入れをする人がおらず、古びており、故郷の村はすでに荒廃になった。希望も未来もないそこを、青年はすごく愛したようだ。愛する心がなければ、故郷を離れる足取りがこんなに切ないはずがない。

その青年は、37年が過ぎた今、どこにいるか考えてみる。金銭屋になってお金はちょっと稼げたのだろうか。とある考試院に疲れた体を寄せているのだろうか。いまもあたふたと汁飯を一気に食べているのだろうか。詩を読むと、深まる秋がさらに寂しい。今年11月は是非、すべての旅人がより少なめに切なくなることを願う。

文学評論家