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私の名前はクイーニーです

Posted November. 08, 2018 07:41,   

Updated November. 08, 2018 07:41

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青のユニフォームを着た黒人女性が、クリーニング用品がいっぱい付いた持ち運びのできるゴミ箱を手にして立っている。官公庁、会社、デパートなどの大型ビルのトイレで、たびたび出会う清掃労働者だ。肥満気味の女性の体は、彼女が一日中引きずり回さなければならないゴミ箱の重量と同じくらい重たそうに見える。

実在人物のようなこの作品は、20世紀の米スーパーリアリズムを代表するドゥエイン・ハンソンの作品だ。彼は実在人物を模した人体彫刻に体毛を一つ一つ埋め込み、衣装を着せた後、特定の場所に設置して名声を得た。静脈と皮膚の小さなあざ跡まで精巧に表現した彼の作品は、実物とあまりにもそっくりで、鑑賞者をしばしば戸惑わせる。初期作では暴力や事故現場、あるいはベトナム戦争などの社会政治的話題を盛り込んだ作品が多かったが、1960年代末からは普通の中間・下流層の人々をテーマにした。フリーマーケットの商人、左官屋、女給、建設労働者など、彼の作品の中の主人公は、そのほとんどが「乙」の人生を生きていく人たちだ。それぞれの人物は、一様に無表情で、日常に疲れた気配がありありと見える。ハンソンは、「絶望の人生を生きていく人たち」の肖像を通じて、アメリカンドリームと現実の間の不一致を示している。

「クイーニー(Queenie)」は、この女性の名前である。胸につけた名札にそう書かれている。クイーニーという名前は、女王を呼ぶ愛称で、ビクトリア朝時代の大英帝国で流行していた女の子の名前でもある。今はつらい清掃労働者の人生を生きているが、さぞかしクイーニーは祝福を受けながら生まれた誰かの大事な娘だったのだ。娘が女王のように尊い人になることを願って、彼女の両親がつけた名前であるか、ひょっとするとクイーニー自身が付けた名前かもしれない。

世の中に尊くない人などいるだろうか。ぞんざいに扱っていい人などどこにもいない。胸につけた金色の名札を通じて、彼女は、「私の名前は清掃人ではなく、クイーニーです」と語っているようだ。ハンソンの作品が共感を得るのは、彼の作品はほかならぬ私たちの社会のスーパーリアリズムの自画像だからである。

美術評論家