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「ヘリの中で、懐中電灯で照らしながら緊急手術を行う現実」

「ヘリの中で、懐中電灯で照らしながら緊急手術を行う現実」

Posted November. 06, 2018 07:24,   

Updated November. 06, 2018 07:24

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チャンネルAの健康番組「 私は身体の神だ」が200回特集を迎えて、「身体の神の特別主治医」として亜洲(アジュ)大学病院の李国鐘(イ・グクジョン)外傷外科課長(京畿南部圏域外傷センター長・写真)が出演する。李氏は放送で今まで一度も公開されたことのない夜間ヘリで、患者の胸を切開して直接心臓マッサージをする緊迫した瞬間を公開する。

李氏によると、とある中年の男性患者が交通事故で多発損傷を受けた状態で、夜間ヘリで搬送される途中、心臓が停止した。出血が多く、胸の部分を両手で圧迫するよりは、胸部切開して心臓を直接圧迫する心肺蘇生術が急がれる状況だった。問題は、暗闇の中を飛ぶヘリの中で照明をつければ、操縦の妨げになるという点だった。

結局、李氏が「光を照らして」と叫ぶと、暗闇の中で懐中電灯が灯った。かすんだ光の中で、李氏は患者の胸を切開して心臓マッサージを開始した。幸いに患者は命を救われたが、夜間にも緊急手術が可能なドクターヘリがない現実を李氏は嘆いた。

李氏は、「外傷患者は時間を選ばない」とし、「夜間にヘリを飛ばすことも容易ではないが、(たとえヘリを飛ばしても)夜間飛行時に手術用照明一つない状態で治療しなければならないのが現状だ」と語った。適時に治療を受けたら生きられる患者が死ぬ「予防可能な患者の死亡率」は、韓国の場合、30%に達する。一方、日本は10%、米メリーランド州は2%に過ぎないのが実情だ。

また李氏は、成熟した市民意識を強調した。それと共に、ソウル江北(カンブク)のとある消防署のヘリポート閉鎖問題を指摘した。江北で唯一ヘリコプターの着陸施設を備えたA消防署が2015年、突然ヘリポートを閉鎖した。その代わり中浪(チュンラン)川にヘリポートを作ったが、誘導灯がなく、夜間の離着陸が難しいうえ、着陸場の隣に自転車道があるので、人の統制が容易ではないという。

李氏は、「消防署では『地元住民の苦情のために(ヘリポートの移転は)仕方のないことだ」と主張して、地元住民たちは、「(消防署が管理するのが)面倒だから、移転しておいてうちのせいにする」と言っていた。ほとんどの人々は他人のせいばかりにする。遅れた市民意識が問題だ」と指摘した。

その上で「成熟した市民を作るためには、国が一人の命を生かすために努力する姿を見せなければならない」とし、「米国は在韓米軍が一人でも重度の怪我をすれば、階級とは関係なく、本土から集中治療室並みの施設と機器を備えたボーイング747サイズの救急機を送る。韓国は果たしてどうか分からない」と話した。200回目の特集放送は、6日午後9時半から90分間放送される。


李眞漢 likeday@donga.com