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米・中・露の核競争が憂慮されるトランプ氏のINF脱退宣言

米・中・露の核競争が憂慮されるトランプ氏のINF脱退宣言

Posted October. 23, 2018 07:48,   

Updated October. 23, 2018 07:48

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トランプ米大統領が、旧ソ連と締結した「中距離核戦争力(INF)全廃条約」の脱退を公式に宣言した。INFは1987年にレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ共産党書記長が結んだ条約で、射程距離500~5500キロの中・短距離弾道および巡航ミサイルの生産・実験・配備を全面禁止した。この条約によって、91年6月までに米国は846基、ソ連は1846基のミサイルを廃棄した。米露の核ミサイル競争を抑制する象徴的な意味が大きかったINFを脱退するということは、核増強競争を招く危険な決定だ。

むろん、トランプ氏のINF脱退宣言は、米国が思いのままに核戦争力の増強に出るという考えがあるというよりも、ロシアと中国を狙った圧力戦略とみられる。ロシアは米国のミサイル防衛網(MD)の欧州配備に対抗して2000年代中盤に短距離弾道ミサイル、「イスカンデル」シリーズを開発し、昨年3月に地上発射型中距離ミサイルを配備するなど、INF違反論議を呼び起こした。

しかし、トランプ氏の本当のターゲットは中国だろう。中国はINF調印国ではなく、制約なく中距離ミサイルの開発に天文学的な投資をしてきた。米国のハリス駐韓大使は、太平洋艦隊司令官時代、「中国がINF調印国なら、2千個の弾道・巡航ミサイルのうち95%が条約違反の対象になるだろう」と非難したことがある。

しかし、たとえロシアと中国がミサイル戦力を増強させているとしても、両国を説得してINFを強化する方向に導くべきであり、米国が脱退してしまうことは状況をさらに悪化させるだけだ。昨年11月にマティス米国防長官は、「米国はINFを脱退する計画はなく、ロシアをINF順守に導く」と発言したが、結局トランプ氏が自分の意思を貫徹させたものとみられる。協定が気に入らなければ無条件脱退し、力で新たな協定を引き出そうとするトランプ・スタイルが繰り返されたのだ。INF脱退が中国を含む新たな核ミサイル統制システムの構築につながるなら幸いだが、長い時間と努力が要求される過程で、世界は強大国の核戦争力増強競争という冷戦時代の悪循環に再び陥る恐れがある。