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「先祖の昔話、韓国語のうまみを生かして再び書きました」

「先祖の昔話、韓国語のうまみを生かして再び書きました」

Posted October. 20, 2018 08:38,   

Updated October. 20, 2018 08:38

한국어

「昔、私たちの先祖が考えた美しさや善良さ、彼らの世界観、無意識のようなものを私の言葉でもう一度書いてみたかった」

韓国を代表する女性作家、呉貞姫(オ・ジョンヒ)氏(71)は最近、電話インタビューでこのように話した。呉氏は、「孫にあげることができる本を書きたいという素朴な思いで書いた」と説明した。この本は、江原道春川市(カンウォンド・チュンチョンシ)で作品の執筆をしている呉氏が、江原地域の昔の説話をもとに書いた話集だ。

「単語や表現に神経をつかって韓国語のうまみを出そうと努力しました。文章をおいしそうに書いて語彙の領域を拡張させたかった」

同書は、「ある春の日に」、「なつかしい私の夫はどこであの月を見ているのか」、「ユスラウメよ、ユスラウメのように美しい私の娘よ」など昔話8編で構成されている。今回新たに追加された「コシネ」を除いては12年前に出版された呉氏の童話、「チョプトンセの話」を大人の読者のために手を加えたものだ。

奇異で興味深い説話は、どこかで聞いたような馴染みのある素材と構造になっていて、簡単に読める。特に男性に迫害を受けたり忘れられた女性の数奇な人生が描写され、注目される。妻を捨てようと水甕にある水を注いだ後、再び汲んでいっぱいにしろという不可能な注文をする夫や、男装をして金持ちの家の娘と婚姻してまで自分を犠牲にする姉を忘れる弟が出てくる。

「昔話の中の女性たちは、社会的にも家庭の中でも、また、生まれの条件自体、弱者です。彼女たちの『恨』が、話という無力な形でだけ表現されました。しかし今は以前と違って、表面に現れなかった女性の痛みや傷、悲劇を見つめて識別することができる目が韓国社会にもできました」

呉氏は、今後も昔話に手を加える作業をしたいと語った。話の力は何かという質問にこのように答えた。

「話は私の生を客観化させ、眺められるようにします。絶望したり喜ぶ状況に閉じ込められた私が、その中から抜け出して勝つように助けます。『こうしたことを私だけが経験するわけではない』と考えれば、解決方法も見えてきませんか」


趙允卿 yunique@donga.com