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オペラ「ドン・カルロ」、トップスター無しで全席完売

オペラ「ドン・カルロ」、トップスター無しで全席完売

Posted September. 18, 2018 08:37,   

Updated September. 18, 2018 08:37

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ピアニストのチョ・ソンジン、エフゲニー・キーシンのようなクラシック界の「興行のお墨付き」でもなかった。韓国国内で自主制作したオペラだった。さらにそのオペラは、ソウルでも難しいと言われているのに、突風の震源地は大邱(テグ)だった。16日午後、大邱オペラハウスのロビーには、「全席売り切れ」の立て札が掲げられた。大邱国際オペラフェスティバルの開幕作であるヴェルディの「ドン・カルロ」は、同日客席シェア100%を記録する気炎を吐いた。4階の客席まで埋め尽くした聴衆を見て戦慄を感じた。

「ドン・カルロ」は、ヴェルディのオペラの中で最も壮大な長さとスペクタクルを誇る。ヴェルディが最も好きだった楽器であるチェロのどっしりとした低音が奏でる3幕のフィリッポ2世の告白「彼女は私を愛したことがない」。バスのヨン・グァンチョルは舞台の上で、すべてのものを手にしたが、愛を失った最高権力者になった。「歌」ではなく「言葉」を語るヨン・グァンチョルがなぜ世界トップクラスの巨匠として扱われるのかを如実に証明してくれた。王妃のエリザヴェータを演じたソプラノのソ・ソンヨンは、今やドラマチックな大型歌手の資質を備えて完璧に近い声を聞かせてくれた。ヴェルディの後期オペラを超えて、ワーグナーまでも網羅する未来が予想された。バリトンのイ・ウングァンのロドリゴは、天のように孤高な品格で「ヴェルディのバリトン」の定石を示した。

演出家のイ・フェスが精魂を込めて作った舞台は、2つに水平分割された。上層部は絶えず変化を遂げながら、各シーンを説得力を持って示した。宗教裁判官は終始、2階でうろつきながら、残りの人物を監視した。神権が王権を凌駕する演出家の意図を忠実に反映した。

20億ウォンの予算でなんと5つの新しいオペラプロダクションを制作した大邱国際オペラフェスティバル。16回目を迎えたフェスティバルは勢いに乗っている。一見「不思議な現象」ともいえる。自治体が運営する全国文芸会館の大半が、1年に自主企画オペラ一本を舞台に上げることすら難しいのが韓国の現実である。10月21日の閉幕まで、フェスティバルの主要なオペラは完売が迫っている。公演会場の施設は劣悪だった。既存の機器では足りず、さらに借りてきた照明でも、「ドン・カルロ」では力不足だった。このような環境で成し遂げた快挙であり、なおさら驚くばかりだ。


田承勳 raphy@donga.com