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アマゾンとMS、「人工知能秘書」が手を組んだ

アマゾンとMS、「人工知能秘書」が手を組んだ

Posted August. 17, 2018 10:05,   

Updated August. 17, 2018 10:05

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「アレクサ、コルタナ開けてくれ」

「コルタナです。何をしましょうか?」

アマゾンの音声認識基盤人工知能(AI)スピーカー「エコー」に対し、マイクロソフト(MS)の音声認識サービス、コルタナを開けてほしいと指示したところ正常に動作した。「今日私のスケジュールはどうなの?」という質問に、「午後8時にメディをサッカー場に迎えに行かなければなりません」と言ってくれる。元々マイクロソフトの運営体制(OS)が搭載されたコンピュータに保存されたスケジュールに基づいてコルタナが提供していたスケジュールの整理を、アマゾンのアレクサが実行したのだ。

逆も可能である。コルタナが搭載されたパソコンに「コルタナ、アレクサを開けてくれ」と命令すると、アレクサが登場して、ショッピング、音楽再生、ゲームプレイなどを行う。

アマゾンとMSは、自社の音声認識AI秘書、アレクサとコルタナの機能を統合すると、15日(現地時間)発表した。米国でベータテストでサービスを行ってユーザーからのフィードバックを受けた後、来年から本格的に統合作業を進める。

今回の協力で、ウィンドウズ10の運営体制(OS)が搭載されたパソコンでアレクサを呼び出したり、アマゾンのエコーからコルタナを呼び出すことが可能になった。コルタナのユーザーがアマゾンのエコーを通じて商品を注文することができ、配送追跡、追加注文、搬送、返金など、さまざまなコマンドを実行できるようになったのだ。アマゾンのアレクサが搭載されたエコースピーカーを保有しているユーザーは、コルタナを呼び出してパソコン用カレンダーの整理をしたり、電子メールに返信することも可能だ。

今回の協力を通じて、アマゾンとMSともに市場拡大のチャンスを手にすることになった。2014年11月にリリースされたアマゾンのエコーは、AIスピーカー市場で昨年基準で市場シェア50%を占めている。ユーザー数は約1000万人。MSは、ウィンドウズ10のOSが搭載されたすべてのパソコンとタブレットにコルタナを提供する。コルタナのユーザーは月間1億4800万人に達する。アマゾンは、ウィンドウズのOSが入ったパソコンのユーザーを、MSはエコユーザ抱き込めるよいチャンスと言える。

ユーザーも、さまざまな領域で人工知能秘書を使えるようになり、歓迎している。世界最大手電子商取引企業アマゾンは、AI秘書を通じたモバイルショッピングに特化されている。アレクサの開発者キットであるアレクサSKills・Kit(ASK)をオープンしたことで、エコを通じて利用できるアプリケーション(アプリ)「スキル(SKills)」は無限になった。外部の開発者がASKを利用してエコーの音声制御機能を活用できるサービスと連動アプリを自由に追加できるからだ。アレクサを通じて、ウーバーの呼び出しやスターバックスのコーヒー注文なども可能である。

MSは、パワーポイント、ワードのようなユーザーのパソコン活用やスケジュール管理に特化している。たとえば、ユーザーが、「コルタナ、昨日作業したPPTを映して」と指示すると、これを実行する。MSの関係者は、「両社は特化されたサービスが異なるので、今回の協力で、ユーザーにより広い領域で音声認識秘書サービスを提供できる」と説明した。

両社の統合により、音声認識秘書市場の競争各社は緊張している。AIスピーカー市場では、グーグルホームの市場シェアが30%で、エコーの後を追っている。しかし今回の協力で、エコーはグーグルとの格差をより広げることになった。韓国国内では2016年、SKテレコムが「ヌグ(誰という意)」を皮切りに、KT、ネイバー、カカオなどもAIスピーカーを発売しており、最近、三星(サムスン)電子も「ギャラクシーホーム」を公開してAIスピーカー市場に挑戦状をたたきつけた。

電子業界の関係者は、「国内音声認識AIサービスは、韓国語でサービスしており、英語をはじめとする外国語サービスはまだ支援されていないので、ユーザー確保においては競争力が落ちる」とし、「スマートフォン、家電製品などの市場シェアの高い三星電子とLG電子は、自社製品に自社AIプラットフォームを適用させる方法で、消費者との接点を増やして行かなければならない」と語った。


金哉希 jetti@donga.com