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「南北関係の発展が非核化の動力」と言った文大統領、「南北加速」を懸念する米国

「南北関係の発展が非核化の動力」と言った文大統領、「南北加速」を懸念する米国

Posted August. 16, 2018 08:18,   

Updated August. 16, 2018 08:18

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」記念式典での演説を通じて、「軍事的緊張が緩和されて平和が定着すれば、京畿道(キョンギド)と江原道(カンウォンド)の境界地域に統一経済特区を設置する」と述べた。また文大統領は、韓国、北朝鮮、日本、中国、ロシア、モンゴルの北東アジア6ヵ国と米国が参加する東アジア鉄道共同体も提案した。文大統領が南北経済共同体の平和・繁栄構想を出したのは、非核化協議の膠着と韓国国内の経済状況の悪化にもかかわらず、和解と経済協力の推進力を高めるという意欲の表れとみえる。

文大統領は、南北関係の進展と非核化、国内経済の活性化の好循環を特に強調した。「南北関係の発展は、米朝関係の進展の付随的効果ではない。むしろ南北関係の発展こそ韓半島の非核化を促進させる動力だ」と述べた。9月の南北首脳会談を控え、「韓半島運転者」の役割をする考えを再度強調したのだ。

しかし文大統領は、このようなバラ色の未来を提示しながらも、本格的な経済協力の前提条件と明らかにした完全な非核化に向けての戦略とビジョンについては言及しなかった。むしろ南北経済協力を強調して、「鉄道と道路の連結着工式を年内に行うことが目標」と述べるなど、北朝鮮が制裁の隙間が広がると誤って判断するかもしれない発言もした。それよりも鉄道の連結など対北制裁と直結し得る南北経済協力の進展は、北朝鮮の非核化履行にかかっていると指摘すべきだった。南北関係が非核化より先行する場合、北朝鮮を牽引する動力が落ちる恐れがあると懸念する米国との歩調の乱れも考慮しなければならない。

6月12日のシンガポールでの首脳会談後、膠着状態に陥った非核化協議が、最近、ポンペオ米国務長官の訪朝推進の動きなどで突破口を見出すか注目されている。しかし、米朝が、終戦宣言と非核化初期措置の対等交換を通じて膠着状態を解くとしても、今後各段階で最大限の補償を勝ち取り、国際協力を乱そうとする北朝鮮の戦略によって、さらなる難題が起こる可能性が高い。国民が聞きたいことは、漠然として理想論的な好循環論理ではなく、困難にならざるを得ない非核化の旅程で大統領がどのような原則と戦略を持っているかだ。

文大統領は15日、「西海(ソヘ、黄海)は軍事脅威が消えた平和の海に変わり、共同繁栄の海に進んでおり…」と述べ、韓半島に平和の時代が訪れつつあると強調した。しかし、南北間の和解議論は非核化の作業が失敗する場合、しん気楼のように消えるかもしれないのが現実だ。平和・繁栄共同体の未来が砂上の楼閣にならないよう非核化戦略を強固にしていかなければならない。