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ロシアで開催の「軍事オリンピック」、中国やイランなど反米国家の軍事協力の舞台に

ロシアで開催の「軍事オリンピック」、中国やイランなど反米国家の軍事協力の舞台に

Posted August. 13, 2018 08:16,   

Updated August. 13, 2018 08:16

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「最初から、今大会がこれだけの人気を呼ぶとは誰が考えただろうか。私たちの夢が実現されつつある」

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防長官は11日、華やかなエアショーと花火で終了した国際軍事競技大会の閉会式に出席し、感激した。2015年にロシアが始めた国際軍事競技大会は、「軍事オリンピック」という名前がつくほど勢いをつけている。

今年の第4回大会は、ロシアや中国だけでなく、カザフスタン、ベラルーシ、イラン、アゼルバイジャン、アルメニアの7ヵ国で分散開催され、32ヵ国189チームが参加した。アルジェリア、ベトナム、スーダン、ミャンマー、パキスタン、フィリピンの6ヵ国が今年初めて参加し、地域的にライバル関係にあるインドやパキスタン、イスラエルやイランも一部種目に参加した。大会は先月28日から開かれ、ロシアが金メダル19個、銀メダル5個、銅メダル2個で総合1位を占めた。

 

この「軍事オリンピック」は28の軍事関連種目で競う。大会のハイライトは、開会式の日から閉会式まで、モスクワ付近のアラビノで続く「戦車バイアスロン」。ロシア産T-72戦車に乗って障害物を越え、3~5キロの距離を4回まわって正確に標的に当てる競技だ。ロシアのチームが優勝した。

 

高度200~2500メートル、時速500~700キロで様々な飛行の技術を披露し、陸上にある標的に正確に爆弾を投下する戦闘機競技大会「航空ダーツ」も人気だ。最も早く浮漂を設置して川を渡る上陸大会、山岳模擬戦、スナイパー大会の他にも、軍犬大会、戦場料理大会などもある。

しかし、同大会を純粋な「軍事オリンピック」と見る人は多くない。最大の代表団を派遣した国はロシアと中国。ロシアは形式的に今年、米国を含め北大西洋条約機構(NATO)28ヵ国の加盟国に招待状を送ったが、大会に参加したNATO加盟国はギリシャだけ。NATOは同大会が、ロシアが軍事力をアピールし、兵器を販売するための場に活用されていると見ている。ロシアは2014年のクリミア半島侵攻後、NATOとの協力を完全に中止し、翌年同大会を創設した。長距離戦略爆撃機Tu-95MSやTu-22M3を今年の閉会式で初めて披露した。

ロシアとともに大会を主催する中国は今年、海兵隊上陸大会を台湾金門島と向かい合う泉州で行い、政治的意図をうかがわせた。軍事強国のインドも、今回の大会で2種目に参加した。インドのメディアは、「4月のモディ首相と中国の習近平国家主席の首脳会談後、協力増大の次元で参加した」と説明した。米国と激しく衝突しているイランが、今年初めて同大会の共同主催まで担ったことも注目される。反米指向の国家の軍事協力の場に活用されているのだ。

同様の期間、1日から15日間、米国をはじめ英国、フランス、ポーランド、トルコなどNATO加盟国13ヵ国は、ロシア近隣の国家、ジョージアの首都トビリシ付近のヴァジアニ軍事基地で3千人が参加する大規模な訓練を行う。訓練初日、米国とドイツの兵士は、UH-60ブラックホークで降りて、バンカーの中に隠れている敵を全滅させる訓練を行ったが、仮想の敵は事実上ロシアを念頭に置いている。旧ソ連の一員だったジョージアは10年前の2008年8月、ロシアの侵攻を受けて領土の20%を失った。ジョージアをめぐるロシアとNATOの対立は、最近激しくなっている。ロシアのメドベージェフ首相は先週、「ジョージアのNATO加入を承認すれば、深刻な衝突の引き金を引くことになる」と警告した。ロシアは同期間、ジョージア国境のカフカス地域で軍事訓練を実施して対抗している。


董正民 ditto@donga.com