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韓国の終戦宣言・南北和解への執着が北朝鮮の非核化離脱を煽る

韓国の終戦宣言・南北和解への執着が北朝鮮の非核化離脱を煽る

Posted August. 10, 2018 10:05,   

Updated August. 10, 2018 10:05

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北朝鮮の労働新聞は9日、「終戦宣言の発表が先次的工程だ」と題する論評で、「何であれ目的を達成するには順序がある」とし、「今や朝米が終戦宣言という段階を踏まなければならない時」と主張した。誠意ある非核化措置があってこそ終戦宣言が可能だという米国の立場に反論したのだ。このような北朝鮮の態度を受けて、米国内では非核化懐疑論が漸増している。米国のヘイリー国連大使は8日、「米国はあまり長くは待たないだろう」と述べた。

非核化の第一歩も踏み出さずに終戦宣言という補償を求める北朝鮮の主張は理に合わない。終戦宣言はその意味と波及力で見ると、非核化列車が軌道に乗り、誰も止めることができないほど進行した時の補償と見るのが正しい。4月の板門店(パンムンジョム)会談で年内の終戦宣言に合意したが、それはその宣言文に共に含まれた非核化を前提としている。

北朝鮮は、シンガポール会談直後は終戦宣言に執着していなかったが、7月7日のポンペオ長官の3回目の訪朝で非核化に対する米朝間の立場の相違が大きいことが明らかになった直後から終戦宣言を強く要求してきた。終戦宣言に対する文在寅(ムン・ジェイン)政府の愛着を考えると、終戦宣言を要求することが韓米間の隙間を広げる戦術になると判断したのだろう。大統領府は、終戦宣言が韓半島当事国間の信頼と和解構築に画期的な進展をもたらし非核化の動力になる好循環構造を期待したが、正反対に向かっている。

終戦宣言が北朝鮮が粘る口実になったのは、非核化に目標を集中せず南北関係の進展に力を入れる文氏の方向設定が生み出した副作用の一つだ。北朝鮮産石炭の密搬入問題もその産物と言える。南北関係の進展が政権の最優先順位と見なされたことで、関連当局の実務者や企業も対北制裁違反の可能性に安易な態度で臨んだ可能性が高い。その結果、核問題の最優先当事者である韓国が国際制裁の穴ではないかと疑い受ける境遇になった。米下院外交委員会テロ・不拡散・貿易小委員会のテッド・ヨーホー委員長が8日、韓国企業も二次的制裁から例外ではないと強調したことや、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長と電話で話した内容を公開したことなどは、米国が今回の事態を注視していることを示す。

にもかかわらず大統領府は、石炭疑惑は関税庁にまかせ、9月の国連での終戦宣言の成功を目標に水面下の外交努力を続けているという。現時点で米国を説得して終戦宣言を先に受け入れるようにすることは、米議会の雰囲気を考えると可能でなく、韓国の安保と国益にとっても望ましくない。非核化が軌道に乗れば、これに対して薪をくべるように終戦宣言が肯定的な影響を与え得るが、現段階ではこれ以上執着することではない。堅固な韓米協力に基づいて北朝鮮が非核化の予定表と核物質リストを提出するよう説得して迫ることが、窮極的に終戦宣言と平和体制を早める道だ。