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シンガポールの韓米外相、これ以上北朝鮮に弄ばれるな

シンガポールの韓米外相、これ以上北朝鮮に弄ばれるな

Posted July. 30, 2018 09:35,   

Updated July. 30, 2018 09:35

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今日から来月4日まで、シンガポールで韓国や北朝鮮、米国など15ヵ国の外相が参加する多国間安全保障協議体であるASEAN地域フォーラム(ARF)が開かれる。今のところ、今回のARFで南北米3者会談が行われる可能性は低い。南北、米朝、韓米外相会談が連鎖的に行われるものとみえる。北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相とポンペオ米国務長官が会うなら、6月12日にシンガポールで行われた首脳会談以来、米朝外相間の初めての会談となる。米朝関係は遅くても一歩ずつ進展しているが、いざ非核化議論は全く進展がない中で開かれる今回ARFが、膠着状態打開の契機になるか注目される。

北朝鮮は、今回のARFで米側に終戦宣言を強く求める可能性が高い。膠着状態を一日も早く終わらせてこそ南北関係に速度を出すことができるので、渇望状態の文在寅(ムン・ジェイン)政府も米国の態度変化を願っている。文政権は、終戦宣言の時期・主体・方式などについて大枠で合意するなら、9月下旬の国連総会で南北米首脳会談と終戦宣言という大イベントを実現できると期待している。

むろん、目の前だけを見るなら、終戦宣言は膠着状態打開の動力になり得る。しかし、非核化議論が軌道にも乗っていない状態での終戦宣言はイベント性という限界があり、さらに北朝鮮としては在韓米軍の撤収などと関連して宣伝・外交折衝戦を展開するのに好材料として利用できる事案だ。米国は、重要な対北朝鮮カードである軍事選択肢の大義名分が消え、圧力能力が低下するほかない。

シンガポール首脳会談後、北朝鮮はミサイル試験場の解体や米兵の遺骨の引き渡しなど非核化と直接関係のない措置だけ小出しして米国をなだめ、いざ非核化の議論は拒否している。韓国はそのような米朝を見つめ、事実上、北朝鮮の予定表に振り回されている。たとえ終戦宣言というプレゼントを先に与え、膠着状態を抜け出すとしても、その効力を失えば、次にまたどんな手を打つのか。

韓米だけでなく中国など関係国の外相は、非核化履行の開始がすべての議論の根本であり先行する条件であることを北朝鮮に明確に分からせなければならない。非核化列車が軌道に乗って走りだせば、途中で障害物に遭っても勢いで越えることができるが、沼地で一歩踏み出す度に取引をして補償を与えなければならないやり方では、目的地に到達できない。自動車の主軸はエンジンに連結していない状態で補助輪だけ回っている異常な状態を一日も早く終わらせなければならない。