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検証抜きの北朝鮮の施設解体、非核化の軌道に進入なければ終戦宣言はない

検証抜きの北朝鮮の施設解体、非核化の軌道に進入なければ終戦宣言はない

Posted July. 26, 2018 08:53,   

Updated July. 26, 2018 08:53

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トランプ米大統領は24日、北朝鮮の東倉里(トンチャンリ)ミサイル試験場の解体の動きを歓迎するとし、「韓国戦争での消息不明の米兵の遺骨引き渡しも速やかに始まると考える」と述べた。ポンペオ国務長官も、「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員がした約束に完全に符合する」と評価した。ただ、「解体の現場に監督官をつけるよう要請した」とし、検証のない施設解体の問題点を指摘し、対北制裁の維持など圧力の重要性を強調した。

北朝鮮が平安南道平城(ピョンアンナムド・ピョンソン)のミサイル組立施設の建物を解体したようだと、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)は伝えたが、ミサイル施設の解体を非核化過程の突入と見ることはできない。北朝鮮が依然として核・ミサイル開発と生産を続けており、今は非核化開始の前提である核凍結の段階にも至っていない。そのうえ徹底した検証の下でなされなければならない措置が、報道機関や専門家の参観なく行われたことは、今後の査察を見越した証拠隠しに相違ない。正恩氏が6月12日の米朝首脳会談でトランプ大統領に約束した内容の最初の履行にすぎない。

北朝鮮はこのような象徴的な措置で、米国に韓国戦争終戦宣言を迫るという思惑がうかがえる。しかし、非核化は開始もせず、まるで恩を着せるかのように小出しに措置を行い、その見返りに終戦宣言の合意を求めるなら、誤算だろう。少なくとも解体する核兵器・施設のリストと非核化の予定表を提示し、これを土台に行程表を作ってこそ、非核化は軌道に乗ることができ、このような初期の措置に応じて終戦宣言の成功の可能性も高まる。

むろん、米朝間で水面下の非核化と体制保証の取引で相当な進展があったかもしれない。大統領府関係者も25日、「できるだけ早期に終戦宣言がなされることを望む」とし、早期成功を期待した。しかし、終戦宣言は北朝鮮非核化の触媒剤になり得る一方、今後の非核化の脱線の口実にも利用される恐れがある。トランプ政権も生半可な終戦宣言は国内政治的に負担となるため、非常に慎重だ。韓国政府がわけもなく急ぐことではない。