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高校単位制が適用される今の小学校6年、さらなる教育課程の見直しで大混乱必至

高校単位制が適用される今の小学校6年、さらなる教育課程の見直しで大混乱必至

Posted July. 17, 2018 10:06,   

Updated July. 17, 2018 10:06

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教育部が「金相坤(キム・サンゴン)印教育政策」の中核である「高校単位制」を2022年に全面的に実施するため、2020~2021年に現在の改定教育課程を全面的に改定すると見らえる。

2015年改定教育課程は今年初めて実施され、現在高校1年生から順次適用される予定だ。だが、新政府の教育哲学を盛り込まれていないとして、実施年度からさらなる改定に向けた議論が行われる事態となった。急激な大学入試制度の見直しの犠牲になった現在の中学校3年生に続き、2022年に高校1年生になる今の小学校6年生たちが大きく混乱するだろうと憂慮する声が出ている。

高校単位制の実施に向けて、教育部の研究を行っている韓国教育課程評価院は13日、「単位制導入に向けた高校教育課程の再構造化の模索」と題したセミナーを開き、研究案を発表した。評価院は、「2015年改定教育課程は、単位制を視野に入れて作られたものでないため、単位制を実現するためには全面的な改定が必要だ」とし、「2022年に全国の高校に単位制が導入される予定であるだけに、2020~2021年に教育課程改定の公示が行われるだろう」との見方を示した。

教育課程は「教育の憲法」と呼ばれる教育政策の基本枠だ。改定の水準は、教科を含めた全面的な改定で小中等教育法も改定する必要が出てくるとみられる。

今年は2015年に作られた2015年改定教育課程が高校に適用される初年度だ。今の高校1年生は2015年改定教育課程に基づいて、今の高校2、3年生は以前のバージョンである2009年改定教育課程に基づいて授業が行われている。新しい教育課程は毎年順次適用されるため、1年生から3年生までの全高校生が2015年改定教育課程の適用を受けるのは2020年からとなる。まさに、この時期に再び高校単位制を取り入れるための新しい教育課程の全面的な見直しが行われることになる。

評価院は、▲正規教員を最大限に活用し、▲副専攻を認めて、一人の教師が複数科目を教えるようにし、▲校長や教頭も週6時間程度の最低限の授業を行うようにする――などを提案した。また、評価については、生徒の科目選択権を確保するため、▲共通科目だけを相対評価し、選択科目は絶対評価する案、もしくは▲共通科目と選択科目の両方を絶対評価するが、7段階に区分する案――などを提示した。

教育界の関係者は、「高校単位制は金相坤印の政策が打ち出される以前は、教育界でさえ馴染みのない概念だった」とし、「未だに生徒や保護者はもちろんのこと、教師や教授たちさえ正確な概念が分かっていないのに、政権の哲学だという理由で一方的に押し付けている」と話した。

保護者たちは、繰り返される教育改革を巡る混乱で、ただでさえ極度の疲労感を訴えている。しかし教育部は、今年から早くも105の研究・先導学校を選定し、高校単位制を運営している。ある高校の校長は、「通常は、政策の研究が先行し、そのあと研究・先導学校を運営して制度を補っていくのが一般的だ」とし、「高校単位制は、そうしたプロセスさえも逆になっている」と批判した。

何よりも、高校単位制を実施する学校と教師など現場の準備が全くできてないことを教育界は憂慮している。

梨花(イファ)女子大学の徐赫(ソ・ヒョク)教授は、「多様な授業の開設が困難な農山漁村など教育環境の劣悪な地域の生徒たちは、教師の需給と希望する科目の開設と運営が難しく、むしろ不利益を被る可能性がある」とし、「高校単位制を実施するとしても、高校教育が必ずしも正常化するとは限らない」と悲観的な見方を示した。

忠北(チュンブク)大学のチョ・ワンヨン教授は、「あまりにも導入を焦り過ぎているという疑いを消せない」とし、「学閥に対する国民の意識や大学入試全体のパラダイムを変えなければ、高校単位制は失敗に終わる可能性が極めて高い」と指摘した。


林雨宣 imsun@donga.com