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金正恩氏の3回目の訪中、韓米演習中止に続き制裁の無力化を狙う

金正恩氏の3回目の訪中、韓米演習中止に続き制裁の無力化を狙う

Posted June. 20, 2018 08:51,   

Updated June. 20, 2018 08:51

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員は19日、2日間の日程で中国を公式訪問した。3月末の北京、5月初めの大連訪問に続く3回目の訪中だ。中国メディアは正恩氏の専用機が北京に到着するやいなや1泊2日の訪中を異例にも報じた。正恩氏は習近平主席に会って米朝首脳会談の結果を伝え、今後の非核化について議論した。今回の訪中は、韓米が8月の乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)演習を中止すると公式発表した直後になされた。韓米合同軍事演習の中止を取り上げた正恩氏が中国に接近して米国との追加交渉を準備する狙いがあるとみえる。

正恩氏の訪中は、米朝首脳会談を終えてポンペオ米国務長官の訪朝による後続交渉を控えて行われた。米朝首脳会談の合意と南北首脳会談開催後、ポンペオ氏の訪朝直前に行われた1、2回目の訪中の時と全く同じだ。誰が見ても進展状況を習氏に報告して後続交渉と関連して助言を求める格好だ。正恩氏が韓米軍事演習の中止を勝ち取ったのも、2回目の訪中での習氏の入れ知恵によるという報道もあった。

中国はこれまで北朝鮮の核・ミサイル開発と韓米軍事演習を同時に中止する「双中断」と韓半島非核化と平和体制交渉を併行する「双軌並行」を北朝鮮核問題の解決法として主張してきた。米朝首脳会談後に展開している様相を見ると、このような中国式解決法がその通りに作動している。「本当の勝者は中国」という評価が出る理由だ。さらに中国は最近、中朝国境地域を中心に対北制裁の緩和を先導している。米国は非核化がなければ制裁解除はないと強調するが、すでに中国は対北制裁協力の戦線から事実上離脱した状況だ。

米朝間の和解ムードが形成された今、北朝鮮は軍事的圧力の解除に続き経済的制裁の解除も狙う絶好の機会と見ているようだ。過去、冷戦時代の中ソの間で実益を得た北朝鮮だ。今や正恩氏は米中間での等距離外交で活路を見出そうとしている。むろん、北朝鮮の立場では遠くの超強大国の米国との関係改善に劣らず隣国の強国中国との関係維持も重要だ。問題は、そこに隠された意図、現実化するかも知れない結果だ。

米朝首脳会談後、北朝鮮に対する「最大限の圧力」基調はいつの間にか弛緩している。大統領府は19日、韓米UFG演習の中止と韓国政府レベルの民官軍演習である乙支演習の中止も検討していると明らかにした。まだ北朝鮮が軍事演習の中止に相応する非核化措置を取っていないにもかかわらず、北朝鮮に対する融和措置を始めた状況だ。このような措置は、今後の北朝鮮の態度次第でいつでも戻すことができるとはいうが、一度緩んだ基調を再び引き締めることは容易ではない。このようなムードで北朝鮮の非核化という大前提まで曖昧になるか心配だ。