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金正恩氏「元山カジノに米が投資を」

Posted June. 05, 2018 08:47,   

Updated June. 05, 2018 08:47

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北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮統一戦線部長が1日(現地時間)、トランプ米大統領とのホワイトハウス面談で、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の委任を受けて元山(ウォンサン)、馬息嶺(マシクリョン)付近に、カジノなど観光商品を開発できるよう投資を要請したという。さらに非核化措置にともなう補償として「段階別」制裁緩和の可能性も打診したという。

その代わりに金英哲氏は、トランプ政権が望む完全かつ迅速な非核化に乗り出せるという金正恩氏のメッセージを具体的に伝えたと見られ、米朝首脳会談を1週間後に控えて両者の細部の議題調整が急流に乗っているという観測が流れている。

韓米外交筋によると、金英哲氏は面談で、元山カジノ造成、馬息嶺スキー場の増設計画などを具体的に取り上げたという。「元山葛麻(カルマ)海岸観光地区」は、金正恩氏が1月の新年の辞で造成計画を明らかにするほど心血を注ぐ事業の一つだという。北朝鮮がここにカジノまで作って国際観光団地として運営すれば、毎年5千万ドル(約530億ウォン)内外の収益を生み出せるという観測が政府内から出ている。北朝鮮の年間の貿易額(70億~80億ドル)を考えると小さくない規模だ。

これは、北朝鮮の主なドル収入源である石炭輸出、海外労働者の送出などが国際社会の対北制裁で行き詰っている状況で、観光事業を通じてでも困難な状況を打開しなければならないという判断によるものとみられる。

さらに金英哲氏は、対北制裁、特に米政権が独自に施行している金融制裁にともなう苦痛を訴えたという。現在の北朝鮮は、米主導の金融制裁でドル貨幣を基軸通貨とする国際金融決済システムへのアクセスが遮断されている。政府筋は、「北朝鮮はクリントン政権当時、バンコ・デルタ・アジア(BDA)銀行内の北朝鮮口座の凍結措置後、中国の人民元やロシアのルーブルなど別の貨幣で外貨稼ぎをしたが、経済規模が小さくならない限りドル決済禁止が長期化すれば耐えるのは難しいだろう」と診断した。

 

これと関連して、米国のソン・キム駐フィリッピン大使と北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が率いる双方の交渉チームは同日、板門店(パンムンジョム)で3日連続会って、米朝首脳会談の核心議題に対する詰めの作業を始めた。交渉チームは必要なら12日の首脳会談直前まで意見調整をす計画だ。

金英哲氏は4日、中国・北京で高麗航空便で平壌(ピョンヤン)に戻った。金氏は同日、空港でトランプ氏と会った後、結果を問う取材陣の質問に何も答えなかった。金氏は3日午後、北京に到着した後、一日滞在し、中国の高官に会ってトランプ氏との面談内容を共有したという観測も流れている。


申晋宇 niceshin@donga.com · 鄭東淵 call@donga.com