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トランプ氏「速戦即決の非核化」、粗雑な米朝合意はあってはならない

トランプ氏「速戦即決の非核化」、粗雑な米朝合意はあってはならない

Posted May. 24, 2018 08:39,   

Updated May. 24, 2018 08:39

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トランプ米大統領は来月12日に予定された米朝首脳会談と関連して、「私たちが望む条件があり、それを得られると考えるが、さもなければ会談を開かないかもしれない。開かれなければ後に、恐らく別の時期になるだろう」と延期も辞さないことを示唆した。そして、極めて短い時間に一度に(all-in-one)なされる非核化を求めた。さらに、北朝鮮と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対する安全の保証も繰り返し約束し、「国は豊かになるだろう」と述べた。

トランプ氏はこれまで、米朝首脳会談で実を結ばなければ、会談場を去る考えだと話していたが、会談延期の可能性を示唆したのは初めてのことだ。むろん、交渉戦略次元の発言とみえるが、トランプ氏はこれによって首脳会談の開催を「再考」するという北朝鮮の揺さぶりに屈しない考えを明確にした。さらに「一度にできない物理的理由があり得る」としつつも非核化の迅速な一括履行を繰り返し強調することで、北朝鮮が掲げる「段階的・同時的措置」は受け入れられない考えも明確にした。

一方で、トランプ氏は米朝会談の成功に重きを置き、現在、米朝が行っている水面下の交渉を通じて合意に向けて努力していることを繰り返し示唆した。米国としては、シンガポール会談を両首脳が会って談判をする交渉のテーブルではなく、事実上、完全に合意した文書に署名して発表する式典にする考えのようだ。曖昧な合意で詳しい内容は実務交渉にまわすやり方はしないということだ。このため来月12日までに妥結に向けて努力するものの、その時まで実現しなければ、会談を延期することも受け入れられるという構えだ。

今、米朝は非核化と体制保証という2つのリストをめぐって本格的なやりとりする交渉、すなわち単純な神経戦を越えて本格的な履行ロードマップ交渉に入ったとみられる。北朝鮮はできるだけ非核化の段階を増やして速度を緩め、より多くの安全の保証と経済補償を引き出すことを望み、米国は非核化の一括履行を要求し、できるだけ負担が少ない安全の保証を約束しようとするだろう。カーテンの後ろで起こっている米朝間交渉の迂余曲折は分からないが、歴史的な米朝首脳の会談は、式典ではなく合意文内容で評価されるだろう。

過去の北朝鮮との合意は、ほとんどが署名した文書のインクが乾く前に別の言葉が飛び出す不完全な合意だった。そのような粗雑な合意は誰より時間稼ぎを望む北朝鮮が狙うことかもしれない。しかし今回はそうであってはならない。論議の余地のない明確な合意、少なくとも北朝鮮が決して後戻りできない合意にする必要がある。米朝が約束した来月12日までには完成させなければならないが、その期限に縛られる必要はない。