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「大邱のデ・ヘア」GKチョ・ヒョンウ、「心配の多い国民にスーパーセーブをプレゼントしたい」

「大邱のデ・ヘア」GKチョ・ヒョンウ、「心配の多い国民にスーパーセーブをプレゼントしたい」

Posted May. 23, 2018 08:30,   

Updated May. 23, 2018 08:30

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チョ・ウォンウ(27=大邱FC)は申台龍(シン・テヨン)号に乗り込んだ唯一のKリーグ1出身のGKだ。愛称は「大邱(テグ)デ・ヘア」だ。イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のGKダビド・デ・ヘヤ(28)に準えた異名だ。大邱FCは知らなくてもチョ・ヒョンウは知っているという話があるほどだ。だが17日、大邱選手団のクラブハウスがある大邱寿城区(スソング)の陸上振興センターで取材に応じたチョ・ヒョンウは、「(ソウルから)遠いところまでお疲れ様です」と人懐こく話しかける優しい近所の友達の姿だった。

「(代表メンバーが発表された14日)家で妻と娘と一緒にいました。メンバー発表を中継するインターネット放送が見れないほど緊張していました。携帯フォンで放送を見ていた妻が『やった』と声を上げるのを聞いて、ようやくリストを確かめました」

チョ・ヒョンウは2013年から6年間、テグのゴールを守っている。2部リーグに降格(2014~2016)を経験して1部リーグに昇格したが、下位に止まっているチーム(20日現在Kリーグ1の最下位)のGKがW杯代表メンバーに選出されたのは極めれ異例のことだ。嚢中の錐のような実力がなかったら不可能だったことだ。昨年大邱はKリーグ1で8位をマークしたが、チョ・ヒョンウはKリーグの「ベスト11(GK)」に選定されたことからも、能力の高さが読み取れる。

「(弱いチームにいると)相手の脅威的な攻撃を何度も経験するしかないし、ゴールも沢山許してしまいます。ある意味では、GKとして成長する上で、これだけプラスになることはないかも知れませんね(笑)」

笑顔で話したが、心の中ではつらかったようだ。今シーズンも最下位から抜け出せていないチームの成績には、夜も寝付けないことが多かったという。若い選手が多い大邱では、いつの間にかチームの中心になっているチョ・ヒョンウの肩には重荷がのしかかっている。責任感が強く、チームを最優先にする性格は、守備の組織力強化に頭を悩ませている申台龍(シン・テヨン)代表監督のお墨付きをもらった理由でもある。

チョ・ヒョンウの活躍を見てマンUのデ・ヘヤを思い浮かべるという人が多い。名将アレックス・ファーガソン氏(77)が2012~2013シーズンを最後に27年ぶりに采配を手放した後、マンUはチーム成績が中位圏に落ちるなど激動の時期を過ごした。その時、デ・ヘヤは伝説のGK「ヤシン」のようにスーパーセーブを連発しながらマンUサポーターたちの気持ちを宥める存在となった。今シーズンの大邱におけるチョ・ヒョンウもそうだった。もちろん、細い体に長い腕、動物的な感覚を発揮する実力も大きく買われた。

「個人的にデ・ヘヤが好きだし、ファンから愛称で呼んでもらっているのは幸せなことです。サッカーをしているうちは、その愛称で呼んでもらいたいですね」

これからチョ・ヒョンウは韓国のデ・ジェヤ、「守護神」を目指す。昨年11月に国際Aマッチデビュー戦となったセルビアとの親善試合では印象的な活躍を見せた。1ゴールを与えたものの、ペナルティーエリアの手前で相手チームが蹴ったFKを体を飛ばして阻止するなど、この日ケガで抜けた主力GKキム・スンギュ(28=ヴィッセル神戸)の空白を完璧に埋めた。

その後、同年12月に開催された東アジアサッカー連盟(EAFF)のE-1選手縁でも申監督のお墨付きを得て代表チームの主力メンバーとして活躍し、大会2連覇に貢献した。21日に招集されるチョ・ヒョンウは、これからはキム・スンギュ、キム・ジンヒョン(30=セレッソ大阪)とともに主力GKの座を巡って競争を繰り広げる。

1998年のフランスW杯のときゴールを守ったキム・ビョンジのプレに憧れてサッカー選手への夢を育んできたチョ・ヒョンウは、娘のハリンさちゃんに、こう紹介できる日を待っている。「昨年8月に生まれた娘のハリンが言葉が分かる年齢になったとき、『パパは韓国のゴールを守る人なんだよ』と話してあげたいです」。


金在亨 monami@donga.com