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「マーベルシーズン」を避ける韓国映画

Posted May. 15, 2018 08:46,   

Updated May. 15, 2018 08:46

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史上最多の前売り枚数、史上最高の前売り率、史上最多のオープニング観客、そして史上最短期間での1000万人突破の外国映画(公開から19日目)というタイトルまで…。「アベンジャーズ3」が13日、累積観客1000万人を突破して、爆発的影響を誇示している。子供の日の振替休日によってできた5月の第1週の黄金連休中の公開まで放棄した韓国映画界は、「マーベル恐怖症」に苦しんでいるという評価が出ている。

マーベル映画の人気の要因にはいくつかが数えられるが、今回の「アベンジャーズ3」の早目の観客1000万人突破には、「スクリーン独占」が大きな役割を果たした。公開当日から全国2461のスクリーンを占めた「アベンジャーズ3」は、スクリーンシェアが46.2%、上映シェアが72.8%に達した。これは昨年の「軍艦島」の最多スクリーン確保の記録(2027個)をはるかに上回るレベルである。

ト・ドンジュン映画振興委員会政策研究チーム長は、「『アベンジャーズ』は大企業が投資配給した映画ではなく、ハリウッド映画という点で、既存の独占と違って、上映館のブロックバスター戦略が最大化された現象だ」とし、「韓国でとりわけ激しい上映館の偏りを法的に制限したり、全体映画産業の売上のうち、劇場での売上の割合を減らしたりする必要がある」と語った。

このようなスクリーン独占に備えて、主な作品は最初から公開を避けた。子供の日の連休に「アベンジャーズ3」を除いて、マルチプレックスで見られた映画は、インド映画の「ダンガル」、マ・ドンソク主演の「チャンピオン」だけだった。ユ・ヘジン主演の「レスラー」は家族映画なのに、連休の終わった9日になってようやく公開された。とある投資配給会社の関係者は、「数年前から4、5月は『マーベルシーズン』のようになったし、マーベル映画との競争に乗り出して静かに埋もれた事例があるので、誰も下手に出なくなったようだ」と話した。4、5月だけでなく、今年の旧正月連休は「朝鮮名探偵:吸血怪魔の秘密」「ゴールデンスランバー」「フンブ」が「ブラックパンサー」に観客数トップの座を明け渡すことまであった。

しかし、スクリーンの独占だけを責めることもできない。CGVリサーチセンターによると、「アベンジャーズ3」の観客層は20、30代が割合多く、再観覧率が6.6%に達した。購買力のある40、50代の観客を狙ったり、過去の興行公式を踏襲したりしていた韓国映画界で、見どころを失った若い観客が「アベンジャーズ3」に詰めかけたという分析が出てくる理由だ。

カン・ユジョン映画評論家は、「『アベンジャーズ3』の誤訳議論からもわかるように、20、30代はソーシャルメディアを通じてイシューを作れる積極的な消費者だ」とし、「マルチプレックスが20年間培ってきた興行公式に基づいて、安定的な家族映画、コメディ、ノワール中心の映画だけを作り、挑戦をしなければ、絶対に2030世代の需要は創出できない」と指摘した。


金民 kimmin@donga.com