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日本の指定暴力団、仮想通貨で2930億ウォン洗浄

日本の指定暴力団、仮想通貨で2930億ウォン洗浄

Posted May. 15, 2018 08:48,   

Updated May. 15, 2018 08:48

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先月中頃、深夜、東京港区の繁華街。

 

古びたビルの2階のバーで、ある中国人男性が30代の指定暴力団組員に「特に問題はなかった」と言って、USBメモリーを渡した。暴力団員はコンピュータにUSBメモリーをさして「ZDM」というファイルを開いた。ファイル名は匿名性が高い仮想通貨ジーキャッシュ(Zcash)、ダッシュ(Dash)、モネロ(Monero)の各頭文字を合わせたのだ。

「ZDM」ファイルにあった資料は、仮想通貨を利用した指定暴力団の資金洗浄の帳簿ファイルだった。帳簿上の記録は2016年6月から始まり、先月までの洗浄資金は計298億5000万円(約2930億ウォン)にのぼった。振り込め詐欺や違法薬物取扱などで得た犯罪収益が大半だった。

同じ時間、指定暴力団内から「基地」と呼ばれる近隣マンションには、20、30代の日本人男女8人がコンピュータの前に座っていた。「実行班」と呼ばれるエンジニアと大学生だが、彼らはロシアの仮想通貨取引所ヨービット(Yobit)にアクセスして、日本から送金した仮想通貨ビットコインなどをジーキャッシュ、ダッシュ、モネロに交換した後、何度も口座を移して資金の出処が特定されないようにする役割を担う。

映画のワンシーンのようなこの光景は、毎日新聞が単独で取材して14日に報じた内容だ。これまで仮想通貨を利用した資金洗浄疑惑は何度も提起されたが、このように規模が大きな資金洗浄の細部情況が確認されたのは珍しい。

 

同紙によると、この指定暴力団は「金庫番」と呼ばれる下部組織を通じて中国人仲介役に資金洗浄を依頼した。仲介役は実行班に日本の仮想通貨取引所に複数の口座を作って、現金(日本円)を仮想通貨であるビットコインやイーサリアムに交換するよう指示した。日本では本人確認をしなければ口座を作ることができないため、実行班(犯)は日本人中心に構成された。

その後ビットコインなどをロシアの取引所ヨビットや英国のヒットビーティーシー(HitBTC)など本人確認なしで口座を開設できる海外の取引所5、6ヵ所に分散して送金。また、匿名取引が可能で取引内容が公開されないいわゆる匿名通貨3種、ジーキャッシュ、ダッシュ、モネロに交換した後、複数の取引所の口座間で移動を数十回繰り返した。そうして現地の協力者を通じて現金通貨に現金化し、正常な商取引を装って日本円に替える手法だ。

同紙は、「人と装備は全て指定暴力団で準備した」とし、「暴力団は早くから仮想通貨の匿名性に注目してきた」という中国人仲介役の話を伝えた。また、このような基地が東京の数ヵ所で運営されていると報じた。

仮想通貨を利用した資金洗浄が急速に広がるのは、各国で規制の水準が異なるためだ。日本は昨年4月に資金決済法を改正し、口座開設時、取引所の顧客の身元確認を義務づけた。また、匿名性が過度に高い仮想通貨は取り扱わないよう誘導している。韓国も1月末から仮想通貨実名制を実施している。しかし、多くの国家では依然として取引所が身分確認なく口座を作る。よって日本から海外に送金した仮想通貨は追跡が難しい。そのため日本の金融当局では、「日本だけで対応することは不可能」という認識が広がっている。日本警察庁によると、昨年4~12月に通報された仮想通貨を利用した資金洗浄疑惑の取引は669件にのぼる。


張源宰 peacechaos@donga.com