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シンガポール米朝会談、完全な非核化で「68年敵対」終了を

シンガポール米朝会談、完全な非核化で「68年敵対」終了を

Posted May. 12, 2018 09:12,   

Updated May. 12, 2018 09:12

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1ヵ月後の6月12日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領がシンガポールで会う。韓半島と北東アジア情勢の分岐点になる歴史的な会談だ。シンガポールが会談場所に決定したのは、トランプ氏が平壌(ピョンヤン)と板門店(パンムンジョム)のような破格の場所よりも定石を選んだことをうかがえせる。11日、大統領府の説明によると、韓国政府は板門店を推薦し、北朝鮮は平壌会談を望んだが、トランプ氏は最も現実的な選択をした。

米国が、韓国政府に6月12日、シンガポールに決定したことを伝えたのは4日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長がワシントンでボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)に会った時だった。少なくとも1週間前に場所と日時が合意していたのに、トランプ氏が発表を10日まで延ばしたことをめぐって様々な解釈が出ている。拘束された米国人3人が安全に米国に到着する時に発表することで広報効果を最大化するという意図があったのかもしれない。しかし、ポンペオ国務長官が「本当に長い一日だった」と吐露するほど、9日に平壌で正恩氏と金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長と密度ある会談をするまでは、双方が会談を公式化したがらないほど意見の相違があった可能性も排除できない。

 

9日、金正恩氏とポンペオ氏の会談に続き、10日にトランプ氏が解放された3人を出迎えて記者団に「北朝鮮の非核化」という表現の代わりに「韓半島全体を非核化させる瞬間が私の最も誇らしい成就になる」と話したことも留意する点だ。2020年までに北朝鮮の非核化を完了するという要請を貫徹させるために、米国が韓米合同軍事演習での核戦略資産の韓半島展開中止などに同意した可能性がある。しかし「韓半島全体の非核化」が核の傘の範囲から韓半島を除く極端なレベルにまで拡大する懸念はないのか、韓国政府は綿密にチェックしなければならない。

米朝会談は開かれるだけで歴史的なイベントだが、韓国に最も重要なことは、首脳会談の合意内容だ。米朝会談の成功に多くの政治的資産を投じたトランプ氏が、大きな絵での交渉妥結に向けて、米国の立場では小さい、しかし韓国の安保には甚大な影響を及ぼしかねない内容を交わす懸念もある。このような可能性をゼロにすることが、22日の韓米首脳会談をはじめ今後1ヵ月間、韓国の外交安保チームが総力を傾けなければならない課題だ。緊密な韓米協力を通じて、北朝鮮の完全な非核化と韓国の長期的安保が少しも揺れることなく共に保障されなければならない。

韓米両国が完璧なチームプレーを成しなら、シンガポール米朝会談は20年以上韓半島を覆った核の暗雲を取りはらい、北朝鮮と米国が韓国戦争以来68年間の敵対関係を清算して新たな歴史を書く歴史的な出会いになるだろう。地球上で最後に残った冷戦の遺物がシンガポールで溶解することを期待する。