Go to contents

騎士を肩代わりした平民歩兵

Posted April. 24, 2018 08:13,   

Updated April. 24, 2018 08:13

한국어

肩をあわせて長い3列横隊で整列した歩兵が太鼓の音に合わせて前進する。時々砲弾が撃たれるが、兵士たちは足で地を踏んで前進する。17世紀、戦列歩兵全盛期の戦闘場面だ。丘の上で馬に乗ってこの勇敢な兵士たちの行進を見守る将軍は満足した。しかし、200年遡って、プレートメイル(板金鎧)を着た騎士がこの光景を見たとすれば、感動ではなく恐怖と怒りを覚え、このように叫ぶだろう。「誰が農民を戦わせたのか」

 

中世の騎士はかなり高価な存在だった。騎士1人が武装するのに必要な費用は、牛50頭の価格を上回った。そのため、小さな一つの領地に騎士1人ということが不思議なことではなかった。農民に長槍1本だけを握らせて訓練すれば、この高価な騎士を軽く馬から落とすことができるということは、すでに古代戦争で証明された事実だった。騎士が本当に忘れたのか、心の中で恐れを抱きながら知らんふりをしたのか分からないが、結局は平民歩兵が騎士を馬から叩き落すその日が来てしまった。

再び17世紀に戻ると、砲弾を突き抜けて前進する戦列歩兵を見て、新たな脅威を感じる将軍もいた。ナポレオンの天才的な参謀だったアントワーヌ=アンリ・ジョミニは、あの大砲がさらに発展すれば歩兵隊形は崩壊すると予感した。彼は、著書で大砲の使用を禁止する国際条約が必要だと力説した。

人工知能(AI)を利用したロボット兵器開発に反対する声が非常に多い。人間の尊厳と平和に向けた意志は尊敬し共感する。しかし、歳月と共に訪れる白髪を家柄では防げないように、すでに開発された技術を反対するからといって防げるものでもない。人類が作ったすべての技術は、みな両面性がある。私たちに真に必要な能力は、その技術を正しく使用できる合理的な知性と健全な社会構造ではないだろうか。人類の技術が自らを破壊できるほど大きくなったため、人類の知性もそのような資格を備えるための努力が緊急の課題だ。