Go to contents

オルムの上の済州、星を数える夜

Posted April. 24, 2018 08:14,   

Updated April. 24, 2018 08:14

한국어

広大な夜空に気孔のようにぎっしりとちりばめられた星は、人間にどんな話を聞かせようとしているのだろうか。

済州島(チェジュド)で生まれ、生涯、済州を画幅に納めてきた作家ぺク・グァンイク氏(66)の個展「オルム(火山体)、風、星」が来月9日から開かれる。

現在、済州国際芸術センターの理事長を務めているぺク氏は、作品自体が済州のアイデンティティとシンボルで満たされている。特に今回の展示で披露する「オルム」シリーズは、済州特有の景色を素材に自然と人間の調和を込めている。金榮浩(キム・ヨンホ)中央(チュンアン)大学教授は、「オルムは母胎性徴の表象であり、済州人の心を大自然につなげる媒体だ」とし、「オルムとその上に吹く風と星の動きを描き出すことは、済州生まれのぺク氏が最も自然で上手にできる作業だ」と評した。

実際キャンバスの大部分を占める空と下部に小さく置かれたオルムの風景画は、妙な錯視を引き起こす。特に難しいことのない単純な図上の組み合わせのようだが、なんとなく耐えることのない叙事の真ん中に観客を誘う。キム・ウォンミン美術評論家はこれについて、詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)の「序詩」を思い出した。

「具像的運動と統一的動きを示す夜空は、オルムと宇宙空間が織り成す美しくて壮大な詩に違いない。 「星ひとつに思い出と/星一つに愛と/星一つに寂しさと…」。尹東柱詩人の星を数える夜が重なるのは仕方のない感情移入である」。

朴榮澤(パク・ヨンテク)京畿(キョンギ)大学教授は、これを神と人間との接点と受け止めた。朴教授は、「遥か宇宙の神秘を含んだあらゆる伝説と神話、説話の単語が漂う」とし、「その下のオルムは、巨大な空の下に小さく位置している済州という土地、生活の基盤をさらけ出す」と説明した。

作家の考えはどうだろうか。ぺク作家は、自分の作業ノートを通じて、オルムについての自分の気持ちをこう伝えた。「20年以上も神秘的な女性の姿を懐かしむ恋人の気持ちで、オルム作業をし、今になってようやく会うことができた」

来月18日まで、ソウル西大門区(ソデムング)にある東亜(トンア)日報忠正路(チュンジョンロ)社屋にある東亜オークションギャラリー。


丁陽煥 ray@donga.com