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氷水に入ってプレゼンテーション、フィンランド・オウルの起業コンテスト

氷水に入ってプレゼンテーション、フィンランド・オウルの起業コンテスト

Posted February. 12, 2018 07:49,   

Updated February. 12, 2018 07:49

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「ウワ、本当にこの寒さは半端じゃない」

7日(現地時間)、フィンランド中北部の都市、オウルの広場。バルト海に隣接したここの気温は、零下12度を指していた。夕方から降りてきた闇のせいなのか、海を覆っている白い氷がさらに目立った。そこに直径2メートル弱の穴が開けられた。凍っている海を照らす華やかな照明が点灯すると、赤いビーニーをかぶった若者たちが集まった。

続いて起業コンテスト「ポーラーベアピッチング(Polar Bear Pitching 2018=PBP)」の幕が上がった。2014年に始まったイベントは、今年で5回目を迎えた。水着の上にガウンを羽織った参加者たちは、順番に氷水の中に入る準備をした。エストニア出身のタチアナ・ジャレッツカヤ氏は、「昨日の予選の時は何ともなかったが、今は心拍数が通常より二倍弱の170まで上がった」と話した。

書類選考と予選を経て決勝に進んだ参加者は計12チーム。投資家で構成された審査団は、問題意識やアイデア、伝達力などを基準にトップを決める。勝者には1万ユーロ(約1300万ウォン)の賞金と「中国のシリコンバレー」である南京を見学できる機会が与えられる。青年起業家たちは氷水の中に入って、1、2分間、自分のアイデアを説明する。なぜよりによって最も寒い2月に、それも氷水の中でコンテストを行うのだろうか。

「2013年、オウルは氷水に陥ったようでしたね。選択は二つでした。放棄するか、それともその中で復活の機会を得るか」

PBPの創始者ミア・ケンパラ氏は、ノキアが没落した2013年の状況について説明した。スマートフォン市場で淘汰されたノキアが携帯電話事業を売却すると、ノキアの工場のおかげで食べていたオウルも低迷の沼に陥った。失業者になった高級人材たちは、起業アイデアはあふれたが、これを表出できる機会はほとんどなかった。技術教育専攻者のケンパラ氏は、悩んだ末、フィンランドの伝統遊びである「氷水での泳ぎ」を思い出した。「そうだ!。厳しい寒さに耐える精神で事業を知らせるイベントを開こう!」

ケンパラ氏は、フィンランドの悪条件と呼ばれる闇と寒さを逆に利用した。凍ったバルト海に穴を開け、闇が早く訪れたあそこに派手な照明と音楽を添えて、青年起業家たちの心を捕らえた。一風変わったイベントに魅了された若い起業家と投資家たちが集まった。審査員の資格で訪れたリク・アシカイネン氏は、「冷たい氷水で行われるので、参加者たちは必要な情報だけを簡潔に伝える」とし、「(投資家としては)この点が本当に気に入る」と語った。

この日は、一日前に掘っておいた氷の穴が凍りついて再び作業しなければならないほど寒かった。しかし、行事の熱気は熱かった。フィンランドのカイ・マイカイネン内相は、上着を脱いで氷水に飛び込んでさらに盛り上げた。機内持ち込み制限によって空港ゲートで捨てなければならなかったものを返すサービス「コティオ」が発表された時、聴衆は、会社名を叫びながら歓声を上げた。3次元(3D)防水ギプスをしたまま、1分30秒間説明した「キャストプリント」の創設者マティス・バーブリスも大きな拍手を受けた。

彼らはみなトップ3レベルのスコアを得たが、勝者は別にいた。農業にかかるコストとエネルギーを最小限に抑えられる温室システムを作った「アティソン」だ。その創業者は、ほかならぬイベントに先立って心拍数を気にしていたジャレッツカヤだった。

悪条件さえも機会に変える底力、寒さと痛みに耐える力、失敗に屈しない意志…。フィンランドの人たちはこれを「sisu(シス)」と呼ぶ。どんな言葉でも翻訳されにくいフィンランドならではの精神が込められた言葉だ。イベントを取り仕切ったケンパラPBPの創設者は語った。

「5G(第5世代モバイル通信)ネットワーク市場で、再び復活を図っているノキア、暗闇と寒さを活かしたPBPの成功などがすべてシス精神の結果物と言えます」


金守蓮 sykim@donga.com