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米中戦争は運命? 正面衝突を避ける方法はあるのか

米中戦争は運命? 正面衝突を避ける方法はあるのか

Posted January. 27, 2018 08:51,   

Updated January. 27, 2018 09:26

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「米国と中国の戦争は予定された手順だ」

この本は、このように当惑する挑発的な結論で始まる。むろん現在の私たちは「中国が目覚める時、世界は震撼するだろう」と言ったナポレオンの警告どおり、中国の浮上が米国中心の世界秩序に大きな変化を呼び起こす現場を目撃している。しかし皆思うだろう。だからといってまさか戦争が?

ハーバード大学ベルファー国際関係・科学センター長を務めた国防政策アナリストの著者は、でたらめに

見える米中戦争の可能性が私たちが考えるよりも高い状況だと主張する。根拠は古代ギリシャの歴史家トゥキディデスが最初に説明した「トゥキディデスの罠」にある。覇権交代期、強国の衝突の危険性を意味するこの言葉は、トゥキディデスが紀元前5世紀、ペロポネソス戦争の原因が「アテネの台頭とそれに対するスパルタの恐れ」にあるという分析に始まる。新興勢力が支配勢力に取って代わるほど脅威的な場合、それによる構造的圧迫で武力衝突につながりやすいということだ。

実際に歴史を見ると、このような状況で多くの戦争が起こった。著者は、世界史の中で新興強国の台頭が既存の覇権国家を脅かした16の例を挙げた。そのうち、第1、2次世界大戦、日中戦争、ナポレオン戦争など12がすべて戦争につながった。20世紀半ば、アジアに手を伸ばし始めた米国の規制とこれを不当と考えた日本の野心は貿易摩擦を生み、真珠湾攻撃につながった。

第1次世界大戦も、表向きはサラエボ事件とそれによる欧州各国の利害関係が交錯して発生した。しかし、19世紀の世界の中心だった英国と強大な海軍力の増進で急浮上したドイツの緊張関係が戦争の15~20年前から形成されていた。新興勢力は制度がはやく変わらないことを支配勢力の妨害と見なし、支配勢力は新興勢力が急な調整を要求すると考える。力の移動の過程で発生するこのような過渡期の摩擦は衝突を呼ぶことになる。

ならば、現在の米中の状況はどうか。中国は7年ごとに経済規模を2倍以上に育て、製造業、市場規模で米国を凌駕する巨人になった。過去の帝国の栄光を回復するために強力な反腐敗政策を展開し、民族主義の鼓吹、構造調整、官僚改編を通じて武力を再建している。しかし、米国はこれを認めない。危険要因はもう一つある。著者は「もしハリウッドで中国が米国に対抗して戦争まで勃発する映画をつくるなら、習近平主席とトランプ大統領よりも適切な主人公は探せないだろう」と話す。民族主義的野心、独特のリーダーシップ、手にあまる国内課題など「不吉な類似性」を持つ両者は、実際に昨年の米中首脳会談で貿易不均衡と核危機をめぐって歩み寄ることができなかった。

むろん、戦争が必然的なわけではない。覇権交代期に戦争を免れたケースも4度あった。15世紀、スペインは法王の仲裁でポルトガルに取って代わり、20世紀はじめに英国は米国の無理な要求にもかかわらず、自国の利益を最大限守りながら敵対感を静める外交術で戦争を避けた。果たして米国と中国の対決は戦争に帰結する13番目の例になるのだろうか。平和に解決された5番目の例になるのだろうか。著者の主張どおりなら、両国がトゥキディデスの罠をどれだけ正確に認知して平和を模索する努力を傾けるかにその答えがかかっている。



パク・ソンヒ記者 teller@donga.com