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塩辛く食べる習慣が脳血管疾患や認知症を誘発、米研究チームがメカニズム解明

塩辛く食べる習慣が脳血管疾患や認知症を誘発、米研究チームがメカニズム解明

Posted January. 16, 2018 09:36,   

Updated January. 16, 2018 09:39

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塩辛く食べる食習慣が、大脳の血流量を大幅に減少させる上、脳細胞の活動を妨害し、脳血管の障害や認知症を誘発する可能性があるという動物実験結果が新たに出た。

米国コーネル大学のコスタンチーノ・アイオデコラ医学部教授チームは、持続的に大量の塩を摂取することで脳機能の低下が起こる具体的なメカニズムを、マウス実験を通じて明らかにし、脳科学国際学術誌ネイチャー神経科学の15日付に発表した。

研究チームは、8週齢の成体マウスを対象に、薄い低塩食(0.5%塩水と食事)と、これより8〜16倍も塩分が多く含まれた高塩食を4〜24週間、それぞれ提供した。その後、磁気共鳴画像(MRI)で脳の映像を撮影し、時間の経過とともに、脳の中の血流と血液中の血球数を測定して比較した。

研究チームが実験したマウスの高塩食の濃度は、2013年に英ケンブリッジ大学の研究チームが、国際医学学術誌「英医学ジャーナル」に発表した187カ国の塩分摂取量の研究結果を参考にしたものである。アイオデコラ教授は、東亜(トンア)日報との電子メールでのインタビューで、「研究に使われた高塩食は、人間でいえば一日の塩分摂取量22グラムに相当する量であり、塩の摂取量が最も高い地域より若干塩辛いレベルだ」と語った。当時の論文で塩分摂取量が最も高い地域は、中央アジア(1人当たり一日に14グラム)で、日本、韓国(1人当たり一日に12.7グラム)が続いた。アイオデコラ教授は、「塩の摂取量調査は、ほとんどが実際より少し低めに測定されるので、私たちの研究に使われた濃度のほうがより現実的だ」と語った。

研究結果、高塩食をつかさどる脳の皮質と、記憶力をつかさどる海馬部位の血流を25〜28%減らすことが明らかになった。一方、腸内血中白血球数は大幅に増えた。TH17という白血球が大幅に増え、この細胞が作る炎症誘発物質であるIL―17が血管に乗って脳に入り、脳機能に悪影響を及ぼした。研究チームは、マウスを迷路に入れて出口を見つけさせる験も行ったが、高塩食のマウスは空間記憶力が低下して、探す時間が長くなった

アイオデコラ教授は、「ただ一つだけ幸いなことは、塩の摂取量を減らすと、認知機能が正常に戻ってきたという事実だ」とし、「世界的に塩の摂取量が増えているが、それを減らさなければならない」と警告した。



ユン・シンヨン記者 ashilla@donga.com