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「38分間のハワイパニック」海の向こうのハプニングではない

「38分間のハワイパニック」海の向こうのハプニングではない

Posted January. 15, 2018 10:25,   

Updated January. 15, 2018 11:56

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米ハワイで去る土曜日朝8時7分(現地時間)、「弾道ミサイルの脅威がハワイに来ている。直ちに避難せよ。これは訓練ではない」という警報メールが住民に転送された。州政府は13分後、ツイッターで誤った警報だったことを明らかにしたが、住民に訂正メールが発送されるまで38分かかった。38分間、ハワイは恐怖に包まれた。住民や観光客は家やホテルから飛び出し、バスは走行をストップした。一部地域ではサイレンが鳴った。ある住民は「『もう皆死ぬんだ』と考えた」と話し、州下院議員は家族皆で浴槽で祈りを捧げたという。

 

今回の警報は、勤務交代の時にボタンを誤って押したことによる。それだけならただのハプニングだが、ハワイの住民が北朝鮮のミサイル脅威をどれだけ肌で感じているかを端的に物語る。ハワイ州はすでに先月から月例空襲避難訓練を始めた。米メディアは、ミサイルが北朝鮮の発射台から総飛行距離9120キロの曲線を描いてハワイに到達するまでに30分かからず、警報後の避難時間は12分という州当局者の話を伝えている。

 

北朝鮮ミサイルを頭上に載せたまま現状維持で過ごすことはできないという当然かつ実際的な危険と認識する世論が高まれば高まるほど、軍事行動から対話まですべてのオプションを天秤にかけているトランプ政権の選択肢は狭くなるだろう。トランプ大統領は、北朝鮮に対する圧力政策が効果を上げ、最近北朝鮮が対話の場に出たと鼓舞する。しかし、もし北朝鮮が南北対話および現在の可能性が図られる米朝交渉で非核化に対する何の誠意も見せない場合、米政権は最終選択のデッドラインに対する強い圧力を感じることになるだろう。

 

国内の進歩左派勢力は、北朝鮮の核開発が自衛用、交渉用と主張してきた。しかし、ハワイ住民の反応が見せたように、北朝鮮の核はすでに相手には実際の恐怖である攻撃用兵器と受け止められている。

隣に狂った男が装填された銃を持って護身用だと主張する時、ただ様子を見ようと言う人はいないだろう。今回は警報ボタンを誤って押したためだが、緊張が最高潮に達した状態で北朝鮮のミサイル発射の兆候をめぐって情報が交錯し、軍事行動につながって武力衝突が起こる可能性もある。「38分間の騒動」は北朝鮮の核危機がどれほど厳しい状況かを改めて実感させる。