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「中国は競争者」というトランプ氏の国家安保戦略が2018年に投げかける挑戦

「中国は競争者」というトランプ氏の国家安保戦略が2018年に投げかける挑戦

Posted December. 18, 2017 09:10,   

Updated December. 18, 2017 09:50

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トランプ米大統領が18日(現地時間)、国家安全保障戦略(NSS)を発表する。米メディアは16日、新たな安保戦略の骨子が、中国を「競争者(Competitor)」と規定すると報じた。トランプ氏は4月に「マー・ア・ラゴ」で開かれた初の米中首脳会談後、北朝鮮に対する制裁と貿易赤字の解決に及び腰の中国に「怒り」を抱いてきた。トランプ政権には中国を敵(Adversary)と見なすムードがあるということだ。世界最強の米国の対外戦略のバロメーターとされる国家安全保障戦略を大統領が就任初年度に出すのは異例。

米国は、レーガン大統領の任期後半の1987年に初めて国家安全保障戦略を公表し、冷戦状況での米外交の青写真を示した。ブッシュ大統領とオバマ大統領は就任2年目の2002年9月と2010年5月に安保戦略を公開した。トランプ氏が任期初年度に明らかにするのは、先月の北京首脳会談の結果、いわゆる「中国夢」を掲げて「崛起」する中国は、米国の潜在的な「脅威」であるだけでなく中国が事実上放置する北朝鮮の核・ミサイル脅威の解決に時間がないと判断したからだと、外信は分析した。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)や米議会議員、シンクタンクや産業界の最高経営責任者(CEO)ら参加して作成した安全保障戦略報告書の作成を指揮したマクマスター大統領補佐官も12日、「中国が規則にもとづく経済秩序に挑戦する『経済侵略(economic aggression)』をしている」とし、中国とロシアを国際秩序を傷つける「修正主義覇権国家」と言い放った。今回の安全保障戦略は、トランプ氏の「米国第一主義」原則に伴う「孤立主義」路線を脱し、米国が国際秩序の変化を「介入主義」に切り替えることを予告する。これによって国際秩序は揺れ動くだろう。

中国の習近平国家主席は先月、第19回中国共産党全国代表大会で、2050年までに世界的な指導国に浮上するとし、事実上、米国との覇権競争を宣言した。米国はすでに「インド・太平洋戦略」を具体化することで、日本・オーストラリア・インドなどと連帯して中国の世界拡張戦略である「一帯一路」の封鎖に乗り出した。2018年の北東アジアは、米中覇権の激戦場になる可能性が高い。これは、北朝鮮核問題の解決に向けた米中協力が欠かせない韓国に直撃弾になるだろう。米国からは安全の保障を受け、中国を最大の貿易国とする韓国は、両国が力比べを本格化すれば、北朝鮮核問題だけでなく貿易と経済協力でも板挟みになる恐れがある。

覇権国家になるには、軍事力と経済力のほかに文化の力と説得力のある政治的価値の標榜、対外政策の正当性を含む「ソフトパワー」を備えなければならない。あらゆることを考慮しても、中国が米国の覇権に挑戦するのは程遠い。このため米中の間で選択を強要されても、韓国の安全保障の砦である韓米同盟に最優先の価値を置くことは異論の余地はない。ただ、地政学的に韓国の安全と経済、南北関係に直接的な影響を及ぼすほかない中国をどのように扱うのか。来年度の韓国外交の大きな課題になるだろう。